こんにちは、いちもくです。
「管理職になりたくない」
「今の管理職を辞めたい」
…そんな声が聞こえてきませんか?
責任は重い、残業は増える、給料はそれほど上がらない…管理職は、もはや「罰ゲーム」のような存在になりつつあります。
高い自殺率、縮む給与差、育たぬ後任、辞めていく女性と若手…日本の管理職を取り巻く深刻な現状をデータで示し、具体的な解決策を提示するのが本書『罰ゲーム化する管理職』です。
管理職の「活性化」に悩む経営層にも、現場で苦悩する管理職にも、希望の光となる一冊を徹底解剖します。
本書の要点
1. 管理職の仕事が「罰ゲーム」と化している現状
- 自殺率の高さ、給与差の縮小、後継者不足など、データで示される深刻な実態
- 働き方改革やハラスメント対策など、新しい施策が管理職の負担を増大させている
2. 経営層・人事部門の「筋トレ発想」の罠
- 「管理職のスキル不足が原因」という誤った認識
- 研修で解決しようとする安易な対応が状況を悪化させている
3. 具体的な4つの解決アプローチ
- フォロワーシップ:部下との協力関係構築
- ワークシェアリング:業務の適切な分担
- ネットワーク:組織内の人的つながりの活用
- キャリア:柔軟なキャリアパスの設計
『罰ゲーム化する管理職』の必読ポイント
管理職はもはや「罰ゲーム」

本書では、もはや管理職は報われない仕事になってしまったと説かれています。
かつては出世の象徴だったポジションが、今や誰もが敬遠する“地雷原”になってしまいました。
その理由は明快。
責任ばかり増えて権限は与えられず、成果を出しても給与は横ばいか減少、挙句に部下との関係もハラスメントに怯えながら維持しなければなりません。
本書では「働き方改革」や「テレワークの普及」といった一見前向きな制度も、実は管理職の負荷を増す方向に作用していると指摘しています。
さらに深刻なのが、管理職の精神的・肉体的な健康への悪影響です。
自殺に至る例も出ており、これは個人の問題を超え、社会問題として捉える必要があると著者は警鐘を鳴らしています。
「筋トレ発想」の落とし穴

多くの企業では、管理職の負荷増加に対して「管理職研修」で対処しようとします。
つまり、「管理職の能力が足りないから負荷が高くなるのだ。研修でスキルアップさせれば問題は解決する」という発想です。
本書はこのような考え方を「筋トレ発想」と呼び、その危険性を指摘します。
なぜ「筋トレ発想」が危険なのでしょうか?
それは、管理職を取り巻く環境そのものに問題があるにもかかわらず、個人の能力不足に原因を求めてしまうからです。
たとえ個々の管理職がスキルアップしたとしても、職場環境が改善されなければ、負荷は減りません。
むしろ、優秀な管理職ほど多くの仕事を任され、さらに疲弊してしまうという悪循環に陥る可能性があります。
本書は、管理職研修を否定するものではありません。
しかし、研修だけで問題は解決しないことを強調し、環境整備の重要性を訴えています。
4つのアプローチで「罰ゲーム」を攻略

では、管理職の「罰ゲーム化」を修正するためには、どうすれば良いのでしょうか?
本書は、以下の4つのアプローチを提案しています。
1. フォロワーシップ・アプローチ:「同じ土俵」を作る
管理職と部下は、上下関係ではなく、同じ目標に向かって進む「仲間」であるという意識を共有することが重要です。
そのためには、管理職が一方的に指示を出すのではなく、部下の意見に耳を傾け、共に課題解決に取り組む姿勢が求められます。
2. ワークシェアリング・アプローチ:権限委譲で負担を軽減
管理職の負担を軽減するためには、部下に適切に仕事を任せることが不可欠です。
単に仕事を割り振るだけでなく、権限も委譲することで、部下の成長を促し、チーム全体の生産性向上につなげることができます。
3. ネットワーク・アプローチ:支え合いの環境を構築
管理職は孤独になりがちです。
だからこそ、社内外に相談できる相手や情報交換できるネットワークを持つことが重要です。
メンター制度やコミュニティ活動などを活用し、孤立を防ぎ、支え合える環境を整備しましょう。
4. キャリア・アプローチ:「健全なえこひいき」と「行ったり来たり」
将来のキャリアパスを明確にすることで、管理職のモチベーションを高めることができます。
また、「管理職→一般社員」というキャリアの変更も柔軟に認め、様々な経験を積めるようにすることで、個々の能力を最大限に引き出すことができます。
さいごに
「罰ゲーム化する管理職」は、日本のビジネス現場で直面する深刻な管理職問題に鋭くメスを入れ、解決への道筋を示します。
管理職とその周囲の環境を見つめ直し、新しいアプローチを取り入れることで、管理職の役割を再定義し、希望のある未来へと進む道を見出せるでしょう。
管理職自身だけでなく、経営層や人事部門の方々にも必読の一冊となっていますよ。
それじゃ、またね。




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