こんにちは、いちもくです。
「職場がゆるくて、成長できる気がしないから辞めます」
この言葉にドキッとした現場マネージャーは多いはず。
Z世代の価値観が多様化し、心理的安全性だけでは通用しない今、若手の育成はかつてないほど難しくなっています。
そんな時代において、どうすれば若手が「辞めずに」「育ち」「活躍する」のか。
その問いに科学的・実践的に答えてくれるのが本書『なぜ「若手を育てる」のは今、こんなに難しいのか』です。
Z世代の本音、育成がうまくいく組織の条件、管理職に求められる具体的な行動まで、現場で即使える知見が詰まっています。
本書の要点
1. 成長実感がない「ゆるい職場」に、若手はキャリア不安を抱いている。
2. 若手を育成するには「心理的安全性」と「キャリア安全性」の両方が必要。
3. 優秀な若手は社外活動を推奨することで、会社への愛着を高めることができる。
『なぜ「若手を育てる」のは今、こんなに難しいのか』の必読ポイント
成長実感がない「ゆるい職場」に、若手はキャリア不安を抱いている

本書では、近年の若手社員、特にZ世代と呼ばれる層の価値観が二極化していることを指摘しています。
成長意欲の高い層と、現状維持を望む層。
そして、成長意欲の高い層ほど「自分は別の会社や部署で通用しなくなるのではないか」というキャリア不安を抱えやすいという実態を明らかにしています。
「ゆるい職場」では成長を実感しにくいため、優秀な人材ほど将来への不安を募らせ、転職という選択肢を選んでしまうのです。
本書では、この「キャリア不安」に着目し、その解消こそが若手育成の鍵であると述べています。
若手を育成するには「心理的安全性」と「キャリア安全性」の両方が必要

多くの企業で重視されている「心理的安全性」はもちろん重要です。
しかし、それだけでは若手は活躍できないと本書は主張します。
心理的安全性が確保されたとしても、成長を実感できなければ、若手は「このままでいいのか」という不安を抱え続けることになります。
そこで重要になるのが「キャリア安全性」です。
キャリア安全性とは、将来に向けて自分の市場価値を高められるという実感のこと。
本書では、この2つの安全性をバランスよく提供することで、初めて若手は安心して力を発揮できると述べています。
具体的には、挑戦できる機会の提供、フィードバックの徹底、スキルアップのための研修制度などが挙げられます。
優秀な若手は社外活動を推奨することで、会社への愛着を高めることができる

本書では、意外な調査結果が紹介されています。
それは「社外活動をしている若手は、自分の会社が好き」という傾向です。
一見、社外活動は転職につながりやすいと思われがちですが、実は逆効果。
社外で得た知識や経験を社内に持ち帰り、貢献することで、会社への愛着が深まるというのです。
優秀な人材ほど、社外で活躍する意欲も高い傾向にあります。
彼らを無理に囲い込むのではなく、むしろ積極的に社外活動を推奨することで、成長を促し、会社へのエンゲージメントを高めることができるのです。
これは、従来の人材育成の常識を覆す、画期的なアプローチと言えるでしょう。
さいごに
若手を「辞めさせない」ために何ができるのかではなく、「活躍させる」ために職場は何を変えるべきか。
本書はその本質的な問いに、科学と現場の知見をもって丁寧に答えています。
マネジメントに悩む人にとっては、ただの理論書ではなく、心強いツールブックになるはずです。
「最近の若者はよくわからない」と感じたことのあるすべての人に読んでほしい一冊。
Z世代との向き合い方に、確かなヒントがここにありますよ。
それじゃ、またね。




コメントを投稿するにはログインしてください。