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【書評】ベゾス・レター アマゾンに学ぶ14カ条の成長原則

ベゾス・レター アマゾンに学ぶ14カ条の成長原則
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こんにちは、いちもくです。

もしもジェフ・ベゾスが、アマゾンの桁外れな成長を生み出す方程式をおしえてくれるとしたら、やってみたいと思いませんか?

ベゾスが21年間にわたり、株主向けに作成している年次レターに、それが書かれているんです。

年次レターには、アマゾンがこれまでにない速さで成長していく様子や、世界一成功しているといわれる会社になるまでの軌跡が込められています。

レターに書かれているのは、どんな業種のどんな事業でも役に立つ原則。

アマゾンのように事業を大きくするための第一歩は、ベゾスが教えてくれた14か条を始めることです。

そんなアマゾン成長の方程式を学べる本が「ベゾス・レター アマゾンに学ぶ14ヵ条の成長原則」。

著者のスティーブ・アンダーソンさんは、保険業界で35年以上の経験を持つビジネスコンサルタント。

いわば、リスク分析のプロです。

そんな彼はジェフ・ベゾスについて、リスクを避けるのではなく積極的に組み込んで活用するリスクの達人だと評価しています。

アンダーソンさんは、ジェフ・ベゾスが1997年から毎年株主向けに贈っている手紙、通称ベゾス・レターの内容を読み込み、アマゾン独特の思考法について分析をしました。

今回は、そんな「ベゾス・レター アマゾンに学ぶ14ヵ条の成長原則」の必読ポイントを詳しく解説していきます。

 

リスクと成長

起業した理由

1994年6月、ジェフ・ベゾスは安定したウォール・ストリートの仕事を辞め、両親から30万ドルを借りてオンライン書店を始めました。

当時オンライン事業は、「博打」でしかありませんでした。

しかしその後、アマゾンは史上最も短い期間で、売上1000億ドルに到達します。

ジェフ・ベゾスはどうやって、この偉業を成し遂げたのでしょうか?

おそらく、彼はリスクの達人です。

リスクと事業の成長との間には、切っても切れないつながりがあります。

リスクに関する行動は、2種類しかありません。

  • やるリスク
  • やらないリスク

つまり、リスクをとるかとらないか。

その2つしかないのです。

本書では、アマゾンの成長について「リスク」という視点から考察されています。

アマゾンの成長をけん引したのは、陸巣をとって活用するというベゾス独自の手法と、ベゾスが実験と発明を重視する企業文化の形成に力を注いだことにありそうです。

その基盤になったのは、成功と失敗に対するベゾスの考え方なんです。

 

14ヵ条の成功法則

ベゾスが株主向けに作成した年次レターから14ヵ条の成功法則が導き出すことができます。

 

アマゾン「成長への14か条」
  • 第1条 「いい失敗」を促す
  • 第2条 大きなアイデアに賭ける
  • 第3条 ダイナミックな発明や革新を実践する
  • 第4条 顧客にこだわる
  • 第5条 長期的な考え方を採用する
  • 第6条 自分の「弾み車」を理解する
  • 第7条 決定は迅速に行う
  • 第8条 複雑なことは単純化する
  • 第9条 テクノロジーで時間を短縮する
  • 第10条 所有者意識を持たせる
  • 第11条 企業文化を守る
  • 第12条 高水準を重視する
  • 第13条 重要な項目を計測し、計測項目を疑い、自分の直管を信じる
  • 第14条 常に1日目だと信じる

 

この14ヵ条の成功法則は、

  1. 実験
  2. 構築
  3. 加速
  4. 拡大

という4つの成長サイクルに分類できます。

成長サイクルの最初にくるのが 「実験」 です。

事業を構築するために実験から始めます。うまくいくかどうかをまず試し、勝ち筋を見極めます。

このサイクルで必要なことは、

  • いい失敗を繰り返す
  • 大きなアイデアに賭ける
  • ダイナミックな発明や革新を実践する

の3か条です。

アマゾンを「構築」して未来へと進展させたのは、

  • 顧客にこだわる
  • 長期的な考え方を採用する
  • 自分の「弾み車」を理解する

の3か条。

そしてアマゾンの成長を「加速」させたのは、

  • 決定は迅速に行う
  • 複雑なことは単純化する
  • テクノロジーで時間を短縮する
  • 所有者意識を持たせる

の3か条。

最後に、アマゾンの「規模の拡大」に役立ったのは

  • 企業文化を守る
  • 高水準を重視する
  • 重要な項目を計測し、計測項目を疑い、自分の直管を信じる
  • 常に1日目だと信じる

の4か条です。

ベゾスに言わせれば、

事業の成長とは必ず、何かに対して

  • 実験を重ねて
  • 構築して
  • 動きを加速させて
  • 規模を拡大する

ことなのです。

そして、うまくいったものを繰り返せばいいだけなんです。

 

【成長への14ヵ条】第1条 いい失敗を繰り返す

Amazon

アマゾンでは、失敗が予算に組み込まれています。

その理由は、失敗から学ぶことで、新たなものを構築できることが分かっているから。

成功のもとになった代表的な失敗として、「アマゾンオークション」が挙げられます。

アマゾンオークションは、1999年、イーベイに対抗するために創られたサービス。

しかし、最終的には失敗に終わりました。

失敗の主な要因は、消費者がアマゾンで商品を競り合うことに拒否反応を示したから。

消費者がアマゾンに対して求めていたのは、安定した価格で商品を購入できることだったんです。

その後、アマゾンはzShopsというサービスを始めますが、これも失敗に終わりました。

zShopsは、アマゾン以外の売り手が、アマゾンのサイト内に自分の商品を表示する特設ページを作れるというサービスでした。

しかしこのサービスに対し、顧客は余分な手間が増えるのを嫌がり、利用者が増えることはありませんでした。

こうしてアマゾンは2つの失敗をしましたが、アマゾン以外の売り手がアマゾンで販売するというアイデアは、アマゾンマーケットプレイスに引き継がれ、大きく花開くことになるのです。

 

【成長への14ヵ条】第2条 大きなアイデアに賭ける

テクノロジー企業

ベゾスはアマゾンが特に大きな成果を出したサービスとして

  • マーケットプレイス
  • プライムサービス
  • AWS

の3つを、アマゾンの柱だと考えています。

しかし、いずれのサービスも開始前は反対の声が多くあり、うまくいくという保証もない大きな賭けでした。

ほかにも、2002年にアマゾンは無料配送というアイデアに賭けます。

配送料こそ、消費者にとってオンラインショッピングにおける最大の心理的障壁だったからです。

この心理的障壁を取り除くための施策として取り入れられたのが、「フリースーパーセイバー・シッピング」。

配送日数が延びる方法を選ぶかわりに、25ドルを超える注文の場合は配送料を無料にするサービスです。

結果、フリースーパーセイバー・シッピングは好評を得ることになります。

この3年後、アマゾンはさらに大きな賭けに出ます。

年間79ドルを払えば配送料は無料で、商品は最短日数で受け取れる「アマゾンプライム」サービスを開始したのです。

この賭けは見事に大きな成功を収めます。

このようにアマゾンは、大きな可能性を秘めているアイディアに最初は小さく賭けて実験し、その後大きく掛けることを繰り返しているのです。

 

【成長への14ヵ条】第5条 長期的な考え方を採用する

バブル崩壊

ウォール・ストリートでは、短期的な指標となる四半期決算を重視する傾向があります。

しかしアマゾンは、創業間もない頃から長期目標を優先し、四半期の株価や収益などの数字はほとんど無視してきました。

今年の利益を犠牲にしてでも、長期的な顧客ロイヤルティや商品チャンスに投資して、来年やそれ以降にもっと大きな利益を生み出すことを選んでいるのです。

ベゾスは、アマゾンに投資する可能性のある人に対して、投資理念がアマゾンの長期的な考え方に合わないのならアマゾンへの投資をやめてほしいという発言すらしています。

 

【成長への14ヵ条】第7条 決定は迅速に行う

アマゾンの強み

事業は「実験」と「構築」の段階を過ぎると、「加速」の段階に入ります。

この段階では、決定をうまく行うことが重要となります。

ベゾスは意思決定を

  • 重大かつ後戻りのできない大きな決定
  • 変えることも取りやめることもできる、うまくいかなくてもこの世の終わりにならなない決定

の2つに分けました。

アマゾンでは、2つ目の種類の決定であれば、社員の誰でもすぐに決定して行動してもいいという企業文化をつくりました。

つまり、職種や役職にかかわらず、全員が「リーダー」の役割を期待されているのです。

またアマゾンには、「スピードを上げるために減速する」という考え方も存在します。

たとえば、何かを決定する会議の前には、必ず6ページのメモを作ることを要求されます。

メモを作成して共有する間、スピードは減速してしまうもの。

でもこの減速によって、むしろ決断のスピードが上がるのです。

メモを共有することで、他のメンバーはその決定に関する十分な情報を得た上で実証段階への移行やリソース投入の承認ができるので、慌てて決定して失敗するリスクを減らせます。

もしうまくいかなければ、元のメモに戻って反省することも簡単。

6ページメモは、事前説明と事後報告を兼ねているのです。

 

【成長への14ヵ条】第14条 常に1日目だと信じる

Amazon

ベゾスの株主向け年次レターには、毎年必ず1997年版レターの写しが添付されています。

これは「これからも常に1日目だ」というメッセージが込められているから。

Amazonが創業時に最もこだわっていたのは、顧客を喜ばせるということでした。

1日目には、顧客より重要なものはほとんどありません。

だからアマゾンでは、収益の上がる事業とリピート客を獲得できる事業を大切にしてきました。

それは言い換えると、顧客を理解することにこだわるということでもあります。

顧客の理解にこだわり、それを念頭においてこれまであらゆる決定を行ってきました。

この理念はいつまでも変わらないということを、投資家や社員に示し続けているのです。

 

さいごに

ベゾスが21年間にわたって、株主向けに作成してきた年次レター。

そこには、アマゾンがこれまでにない速さで成長していく様子や、世界一成功しているといわれる会社になるまでの軌跡が込められています。

レターに書かれているのは、どんな業種のどんな事業でも役に立つ原則。

アマゾンのように事業を大きくする第一歩は、ベゾスが教えてくれた14か条を始めることです。

今回は、アマゾン「成長への14か条」

  • 第1条 「いい失敗」を促す
  • 第2条 大きなアイデアに賭ける
  • 第3条 ダイナミックな発明や革新を実践する
  • 第4条 顧客にこだわる
  • 第5条 長期的な考え方を採用する
  • 第6条 自分の「弾み車」を理解する
  • 第7条 決定は迅速に行う
  • 第8条 複雑なことは単純化する
  • 第9条 テクノロジーで時間を短縮する
  • 第10条 所有者意識を持たせる
  • 第11条 企業文化を守る
  • 第12条 高水準を重視する
  • 第13条 重要な項目を計測し、計測項目を疑い、自分の直管を信じる
  • 第14条 常に1日目だと信じる

のうち、特に重要と思えた5つに絞って紹介してきました。

全ての項目を読んで理解し、実践することができれば、アマゾンのような桁外れな成長企業を生み出せるかもしれませんよ。

それじゃ、またね。

 

 

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