こんにちは、いちもくです。
僕は普段、総合商社で営業マネージャーの仕事をしています。
営業の仕事で、成果を持続的に上げ続けるのはとても難しいですよね。
あなたの会社は、営業戦略をもって営業活動をしているでしょうか?
もちろん、売り上げや利益の目標はあるでしょう。
そんな目標を、
- 顧客別
- 月別
- 商品別
- 担当者別
などに割り振られた営業計画書は、どの会社にも必ず用意されていると思います。
でも、そこに戦略はあるでしょうか?
戦略がなければ、いくら営業員が頑張ったとしても、その成果は限定的。
個々の営業員の努力を実り多いものにするために欠かせないのが、戦略です。
なかでもランチェスター戦略は、営業に携わるすべての人のニーズを満たしてくれる、科学的で論理的な戦略。
そんな営業に使えるランチェスター戦略を体系立てて学べるのが、「営業」で勝つ!ランチェスター戦略です。
本書では、ランチェスター戦略を現実の営業や販促に活かし、成果を上げるための具体的な方法が紹介されています。
営業とは、本来戦略的なもの。
個々の営業マンに戦略を授けることが重要です。
今回は、そんな「営業」で勝つ!ランチェスター戦略の必読ポイントを紹介していきます。
「営業」で勝つ!ランチェスター戦略の必読ポイント
目標と戦略と戦術の違い
戦略とは、目標達成のためのシナリオと資源の最適配分のことです。
目標を達成するために、
- いつ
- どの地域の
- どの販売チャネルの
- どの顧客層の顧客に
- 何の商品を売るのか
といったシナリオを描くことが大切。
そしてシナリオを実行するために
- ヒト
- モノ
- カネ
- 時間
などの資源を最適に配分する。
このように、何をやるのかを決めることを戦略と言います。
そして戦術とは、戦略実行の手段です。
何をやるのかが戦略ならば、どのようにやるのかが戦術です。
戦略がなくとも目標が達成されることも稀にはあります。
ですが、それは偶然です。
再現性がありません。
目標は戦略的にたてなければなりません。
目標ありきではなく戦略上、ふさわしい目標を掲げるべきです。
つまり、
- 目標
- 戦略
- 戦術
は三位一体。
それぞれがなければ成り立たず、相乗効果を発揮すれば大きな成果が生まれます。
成果を出すための要となるのが、戦略なんです。
ランチェスター戦略とは
ランチェスター戦略とは、企業間の営業・販売競争に勝ち残るための理論と実務の体系です。
1970年代前半、オイルショックが起こり、それまでの高度経済成長期から一挙に不況になったとき、日本で誕生しました。
当時の経営環境は、昨今の状況と似ています。
市場が急速に縮小した中、特に弱者がいかにしてサバイバルするのか。
このことを指導するのがランチェスター戦略です。
ランチェスター戦略を学び、取り入れた企業の多くはオイルショックの大不況を乗り越え、今日も繁栄しています。
- トヨタ
- パナソニック
- 日本生命
- 武田薬品
などの日本を代表する大企業や
- ソフトバンク
- H.I.S.
- フォーバル
などの当時のベンチャー企業が、積極的にランチェスター戦略を取り入れました。
日本で生まれた競争戦略なのに、なぜランチェスターというカタカナの名前がついているのか?
それは「ランチェスターの法則」という戦争理論がその原点だからです。
ランチェスターの法則
ランチェスターの法則とは、イギリス人の航空工学の研究者F・W・ランチェスターが、第一次世界大戦の際に発見した「戦闘の法則」です。
兵力数と武器の性能が、戦闘力を決定づけるというものです。
このランチェスターの法則は、第二次世界大戦時に米国海軍作戦研究班で研究されました。
ランチェスター法則には「第一法則」と「第二法則」があります。
第一法則は、剣や弓矢で戦う古典的な戦闘に関する法則。
第二法則は、小銃やマシンガンといった兵器を利用した近代戦に関する法則です。
古典的な戦闘では、個々の味方が個々の敵を相手とする「一騎討ち」を基本とした局地戦になります。
一騎討ちをする鎌倉武士をイメージするとわかりやすいでしょう。
そのような「局地戦」の場合、戦闘力は「兵力×武器効率」で決まります。
同じ兵力なら刀より鉄砲を持っている方が強く、逆に同じ鉄砲を持っているのであれば兵隊の数が多い方が強くなります。
一方、第二法則の場合は戦闘力が「兵力の2乗×武器効率」で決まります。
つまり広域戦では、兵力が戦闘力に与える影響がより大きくなるということ。
では兵力が少ない側は、局地戦と広域戦のどちらで戦うべきでしょうか?
答えはもちろん、局地戦です。
局地戦に持ち込めば兵力のハンデは少なくなり、他の要素によっては勝つチャンスが開けてきます。
小が大に勝つ3原則
- 第一法則 戦闘力=武器効率×兵力数
- 第二法則 戦闘力=武器効率×兵力数の2乗
この2つの軍事法則から、戦いの原理、勝ち方の原則を導き出すことができます。
兵力数が多い軍は、常に有利。
特に第二法則が適用する戦いでは、兵力数が2乗に作用するため、圧倒的に有利です。
では、小が大にかとうとするなら、どうすれば良いのでしょうか?
第一法則適用下であれば、武器効率を兵力の比以上に高めれば勝てます。
ほかにも、局地戦に持ち込んで、戦いの局面を選択し兵力を集中させれば、その局面においては兵力数をライバルよりも多くすることができます。
全体としては劣勢軍でも、その局所では優勢軍になるということです。
これらを整理すると、小が大に勝つ3つの原則が導き出せます。
- ランチェスター第一法則が適用する「一騎打ち戦」「局地戦」「接近戦」で戦う
- 武器効率を高める
- 兵力を集中する
ランチェスター戦略における「弱者」と「強者」
ランチェスター戦略では、市場シェアで勝っている会社のことを「強者」と呼びます。
勝っているのは、1位の企業だけ。
2位以下はすべて1位の企業に負けていることになります。
そんな2位以下の企業のことを、ランチェスター戦略では「弱者」と呼びます。
一般的には、大きな会社のことを強者、小さな会社のことを弱者と呼ぶことが多いもの。
でもランチェスター戦略では、市場シェアで強者・弱者を判定しているんです。
例えば、ホンダは国内普通乗用車の市場では大企業ですが、日産と2位のシェア争いをしています。
そのため、ホンダも日産も「弱者」となります。
一方、オートバイの市場ではホンダは世界の強者です。
このように、市場や商品ごとにその立場は異なってきます。
そんな弱者と強者では、取るべき戦略が根本的に異なります。
ランチェスター第一法則から導き出されるのは「弱者の基本戦略は差別化戦略」。
敵と味方の武器性能を比較したものを「武器効率」といいますが、この武器効率を上げることをビジネスでは「差別化戦略」といいます。
そんな差別化戦略をとった上で、
- 一点集中主義
- 局地戦
- 一騎討ち戦
- 接近戦
- 陽動戦
という5つの戦法を取るのが、強者に勝つ方法。
これを「弱者の5大戦法」と呼びます。
これに対して強者は、弱者の差別化を封じ込め、弱者に弱者の戦い方をさせないことが基本戦略となります。
弱者が差別化を仕掛けてきたら模倣・追従して、その差別化を差別化でなくさせればいいんです。
これを「ミート戦略」といいます。
そして
- 圧倒的物量で兵力を総合展開する「総合主義」
- 確率戦
- 広域戦
- 遠隔戦
- 弱者をおびき出し包囲殲滅する「誘導戦」
という5つの戦法を取るのが、強者の戦い方。
これを「強者の5大戦法」と呼びます。
ランチェスター法則をビジネスに応用する
軍事理論のランチェスター法則を、企業間競争に応用してみます。
戦闘力を「営業力」と置き換えてみましょう。
- 第一法則 営業力=武器効率×兵力数
- 第二法則 営業力=武器効率×兵力数の2乗
ここで、「武器効率」と「兵力数」をどう考えればよいでしょうか?
武器効率とは、いわば商品力。
- 情報力
- 技術開発力
- 品質
- 性能
- ブランド
- 顧客対応
- 営業パーソンのスキル
など、企業の質的経営資源が武器効率です。
兵力数とは、
- 社員数
- 営業パーソン数
- 販売代理店の当社担当者数
- 製造現場の設備機器数
- 売り場面積数
- 席数
など、企業の量的経営資源が兵力数です。
これら「質的経営資源」と「量的経営資源」を掛け合わせたものが、企業の営業力を決定づけます。
成功する営業活動の「量」を知る
ランチェスター第一法則
戦闘力=武器効率×兵力数
は、営業パーソンが顧客を開拓し売り上げを上げ、利益を確保する力、すなわち営業パーソンの攻撃力に応用することができます。
営業パーソンの攻撃力=活動の質×活動の量
活動の質とは、
- 商品知識
- 顧客対応力
など。
活動の量とは、
- 商談回数・頻度
- 商談時間
などです。
質と量を掛け合わせたものが攻撃力となり、売り上げや利益を決定づけます。
さいごに
営業の仕事で、成果を持続的に上げ続けるのはとても難しいですよね。
あなたの会社は、営業戦略をもって営業活動をしているでしょうか?
もちろん、売り上げや利益の目標はあるでしょう。
そんな目標を、
- 顧客別
- 月別
- 商品別
- 担当者別
などに割り振られた営業計画書は、どの会社にも必ず用意されていると思います。
でも、そこに戦略はあるでしょうか?
戦略がなければ、いくら営業員が頑張ったとしても、その成果は限定的。
個々の営業員の努力を実り多いものにするために欠かせないのが、戦略です。
なかでもランチェスター戦略は、営業に携わるすべての人のニーズを満たしてくれる、科学的で論理的な戦略。
そんな営業に使えるランチェスター戦略を体系立てて学べるのが、「営業」で勝つ!ランチェスター戦略です。
本書では、ランチェスター戦略を現実の営業や販促に活かし、成果を上げるための具体的な方法が紹介されています。
営業とは、本来戦略的なもの。
本書を読めば、科学的に営業活動を分析し、効果的な対策方法を立てるヒントが必ず見つかりますよ。
それじゃ、またね。
コメントを投稿するにはログインしてください。