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【書評】ランチェスター戦略「営業」大全

ランチェスター戦略「営業」大全
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こんにちは、いちもくです。

僕は普段、総合商社で営業マネージャーの仕事をしています。

営業の仕事で、成果を持続的に上げ続けるのは非常に難しいもの。

そもそも、成果を上げ続けるために大切なこととは何なのでしょうか?

  • 営業員の気合い
  • 対人関係能力
  • 体力

といったものが大切なのは事実。

でも、こうした個々の営業員の質や活動量は、あくまでも戦術レベルの話です。

戦略が間違っていたら、いくら営業員が頑張ったとしても、その成果は限定的。

個々の営業員の努力を実り多いものにするために欠かせないのが、戦略です。

なかでもランチェスター戦略は、営業に携わるすべての人のニーズを満たしてくれる、科学的で論理的な戦略。

そんな営業に使えるランチェスター戦略を体系立てて学べるのが、ランチェスター戦略「営業」大全です。

本書では、ランチェスター戦略を現実の営業や販促に活かし、成果を上げるための具体的な方法が紹介されています。

営業とは、本来戦略的なもの。

個々の営業マンに戦略を授けることが重要です。

今回は、そんなランチェスター戦略「営業」大全の必読ポイントを紹介していきます。

 

ランチェスター戦略「営業」大全の必読ポイント

目標と戦略と戦術の違い

チェス

戦略とは、目標達成のためのシナリオと資源の最適配分のことです。

目標を達成するために、

  • いつ
  • どの地域の
  • どの販売チャネルの
  • どの顧客層の顧客に
  • 何の商品を売るのか

といったシナリオを描くことが大切。

ホワイトボード

そしてシナリオを実行するために

  • ヒト
  • モノ
  • カネ
  • 時間

などの資源を最適に配分する。

ホワイトボード

このように、何をやるのかを決めることを戦略と言います。

そして戦術とは、戦略シナリオを実行する手段。

何をやるのかが戦略ならば、どのようにやるのかが戦術です。

どの顧客を狙うのかを決めるのが戦略ならば、狙った顧客をどのように攻略していくのかが戦術。

チェス

だから攻略が上手でも、狙う顧客を間違えていては成果は出ません。

そんな戦略と戦術は、目指すべき目標があってはじめて成果につながります。

目指すべき目標は、上から与えられるだけではなく、顧客最前線の営業部門、営業員からの提案とすり合わせて決めていくことで、達成する確率も高まります。

つまり、

  • 目標
  • 戦略
  • 戦術

は三位一体。

クローバー

それぞれがなければ成り立たず、相乗効果を発揮すれば大きな成果が生まれます。

成果を出すための要となるのが、戦略なんです。

 

そもそもランチェスター戦略とは

戦闘

ランチェスター戦略とは、企業間の営業・販売競争に勝ち残っていくため、すなわち競争戦略・販売戦略の理論と実務の体系です。

ランチェスター戦略は、

  • ランチェスター法則
  • クープマンモデル

の2つの軍事理論を原点にしています。

ランチェスター法則からは、弱者の戦略と強者の戦略が導き出されます。

そしてクープマンモデルからは、市場シェアの科学を導き出すことができます。

この2つを基にして、ナンバーワン主義というランチェスター戦略の結論を導き出すことができます。

 

ランチェスター法則とは?

戦闘機

第一次世界大戦当時、戦闘機の開発に従事していたイギリス人のF・W・ランチェスターは、先頭の勝ち負けに興味を持ち、研究を始めます。

そして、勝ち負けは戦う両軍の「武器の性能」と「兵力の数」によって定まることを提唱しました。

これがランチェスター法則です。

武器の性能とは、兵器の性能のみならず

  • 兵士のやる気
  • 腕前

といった、戦いの「質」の要素全体です。

兵士

兵力の数とは、兵士の数のみならず

  • 軍艦
  • 戦闘機

といった兵器の物量も含めます。

戦闘機

いわば、戦いの「量」の要素の全体です。

このランチェスター法則は、戦いかたによって結論が2つに分かれます。

1対1が狭い範囲で敵と密着して戦う、原始的な、あるいはゲリラ的な戦いの時は

戦闘力=武器性能×兵力数

となります。

これをランチェスター第一法則といいます。

一騎討ち

一方、多数と多数が同時に広い範囲で敵と離れて撃ち合う、近代的な戦いの場合は

戦闘力=武器性能×兵力数の2乗

となります。

これをランチェスター第二法則といいます。

 

ランチェスター戦略における「弱者」と「強者」

表彰台

ランチェスター戦略では、市場シェアで勝っている会社のことを「強者」と呼びます。
勝っているのは、1位の企業だけ。

2位以下はすべて1位の企業に負けていることになります。

そんな2位以下の企業のことを、ランチェスター戦略では「弱者」と呼びます。

一般的には、大きな会社のことを強者、小さな会社のことを弱者と呼ぶことが多いもの。

でもランチェスター戦略では、市場シェアで強者・弱者を判定しているんです。

例えば、ホンダは国内普通乗用車の市場では大企業ですが、日産と2位のシェア争いをしています。

そのため、ホンダも日産も「弱者」となります。

一方、オートバイの市場ではホンダは世界の強者です。

このように、市場や商品ごとにその立場は異なってきます。

そんな弱者と強者では、取るべき戦略が根本的に異なります。

ランチェスター第一法則から導き出されるのは「弱者の基本戦略は差別化戦略」。

敵と味方の武器性能を比較したものを「武器効率」といいますが、この武器効率を上げることをビジネスでは「差別化戦略」といいます。

そんな差別化戦略をとった上で、

  • 一点集中主義
  • 局地戦
  • 一騎討ち戦
  • 接近戦
  • 陽動戦

という5つの戦法を取るのが、強者に勝つ方法。

これを「弱者の5大戦法」と呼びます。

これに対して強者は、弱者の差別化を封じ込め、弱者に弱者の戦い方をさせないことが基本戦略となります。

弱者が差別化を仕掛けてきたら模倣・追従して、その差別化を差別化でなくさせればいいんです。

これを「ミート戦略」といいます。

そして

  • 圧倒的物量で兵力を総合展開する「総合主義」
  • 確率戦
  • 広域戦
  • 遠隔戦
  • 弱者をおびき出し包囲殲滅する「誘導戦」

という5つの戦法を取るのが、強者の戦い方。

これを「強者の5大戦法」と呼びます。

 

営業員攻撃力の法則 攻撃力=活動の質×量

グラフ

弱者の基本戦略は差別化戦略。

差別化し、集中し、接近戦を展開するためには

  • 顧客層
  • 商品
  • 価格
  • 地域
  • 販売チャネル

を決めます。

その上で、

  • 目標
  • 戦略シナリオ
  • ターゲット顧客

を設定します。

ターゲット顧客まで定まったら、次に行うのは営業活動の最適化です。

ランチェスター第一法則 戦闘力=武器性能×兵力数

を、営業員ひとりひとりが顧客を開拓し売り上げを上げ利益を生み出す力に置き換えると

攻撃力=活動の質×活動の量

となります。

これが、営業員攻撃力の法則。

そして、活動の量を営業員の攻撃量とすると、

攻撃量=商談時間×商談件数・回数

と置き換えられます。

これが、営業員攻撃量の法則です。

この法則に基づいて、優れた「人材」が正しい「戦略」に基づいて適正な「活動」をたくさん実施すれば、自ずと成果が上がりはじめます。

 

さいごに

営業の仕事で、成果を持続的に上げ続けるのは非常に難しいですね。

そもそも、成果を上げ続けるために大切なこととは何なのでしょう?

  • 営業員の気合い
  • 対人関係能力
  • 体力

といったものも大切なのは事実。

でも、こうした個々の営業員の質や活動量は、あくまでも戦術レベルの話です。

戦略が間違っていたら、いくら営業員が頑張ったとしても、その成果は限定的。

個々の営業員の努力を実り多いものにするために欠かせないのが、戦略です。

なかでもランチェスター戦略は、営業に携わるすべての人のニーズを満たしてくれる、科学的で論理的な戦略なんです。

そんな営業に使えるランチェスター戦略を体系立てて学べるのが、ランチェスター戦略「営業」大全。

本書では、ランチェスター戦略を現実の営業や販促に活かし、成果を上げるための具体的な方法が紹介されています。

自社とライバルの戦略を照らし合わせながら本書を読み進めれば、効果的な対策方法を立てやすくなるのでおすすめですよ。

それじゃ、またね。

 

 

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