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【書評】新版 ランチェスター戦略 「弱者逆転」の法則 小さくても儲かる会社になる「勝ち方」

新版ランチェスター戦略
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こんにちは、いちもくです。

どんなビジネスでも、常に勝ち続けることは難しいと思いませんか?

激しい競争環境の中で、なんとか負けまいと歯を食いしばって戦っているビジネスパーソンは多いはず。

そもそもビジネスの本質は、「顧客に通じて、敵(ライバル)に勝つ」ことです。

ビジネスとは、戦い。

負けたら儲かりません。

負け続けると、いつかは破綻してしまいます。

ではどうすれば、ビジネスで勝つことができるのでしょうか?

そのヒントを得られるのが、本書 新版 ランチェスター戦略 「弱者逆転」の法則 小さくても儲かる会社になる「勝ち方」です。

ランチェスター戦略とは、小が大に勝つための戦略理論。

大きな会社が小さな会社に勝つのは、当たり前です。

しかし、やり方次第、すなわち戦略次第では、小が大に勝つことができるんです。

本書では、53の事例をもとに、ランチェスター戦略をわかりやすく解説。

今日から使えるノウハウが満載なので、非常に実践的な本です。

今回は、そんな新版 ランチェスター戦略 「弱者逆転」の法則 小さくても儲かる会社になる「勝ち方」の必読ポイントを詳しく解説していきます。

 

新版 ランチェスター戦略 「弱者逆転」の法則 小さくても儲かる会社になる「勝ち方」の要点

要点1

弱者には弱者なりの戦い方がある。

そのひとつが、ランチェスター戦略。

ランチェスター戦略には、第一法則と第二法則がある。

第一法則は「武器性能×兵力数=戦闘力」、第二法則は「武器性能×兵力数の2乗=戦闘力」。

弱者は第一法則を活用することで勝てる可能性が高くなり、強者は第二法則を活用すると勝ちやすい。

 

要点2

弱者が取るべき基本戦略は「差別化戦略」、強者が取る基本戦略は「ミート戦略」。

 

 

要点3

ランチェスター戦略の3つの結論

2位以下を圧倒的に引き離す「ナンバーワン主義」

局面ごとの部分的な1位を目指す「一点集中主義」

自分よりワンランク下の相手を攻撃する「足下の敵攻撃の法則」

 

新版 ランチェスター戦略 「弱者逆転」の法則 小さくても儲かる会社になる「勝ち方」の必読ポイント

そもそも「弱者」と「強者」とは?

そもそも弱者と強者とは

僕たちは普段、中小零細企業のことを弱者と呼び、大企業のことを強者と呼びがちです。

でもランチェスター戦略おいては、弱者と強者の定義は「規模」ではありません。

  • 弱者とは、競合局面において負けている市場占有率1位以外の全ての企業
  • 強者とは、競合局面において勝っている市場占有率1位の企業

これが、ランチェスター戦略における「弱者」と「強者」の定義です。

たとえば、ホンダは超大企業ですが、国内普通乗用車の市場において1位ではないので、弱者になります。

 ホンダディーラー

でも、世界のオートバイ市場においてはホンダは1位なので、強者になります。

ホンダオートバイ

弱者と強者は競合局面ごとに判断しなければならず、局面によって立場は入れ替わりません。

ランチェスター戦略において、弱者と強者の戦略は180度異なります。

そのため、まずはランチェスター戦略で定義される「弱者」と「強者」の違いを理解しておく必要があるんです。

 

第一法則と第二法則

第一法則と第二法則

勝負の勝ち負けは、競合局面における敵と味方の「力」関係で決まります。

では、ビジネスの販売競争における「力」とは、いったい何でしょうか。

それが、F・W・ランチェスターが提唱した「ランチェスター法則」です。

ランチェスター法則は2つあります。

1つは、1対1、刀や槍などを使って1人が1人を攻撃する場合に適用する「ランチェスター第一法則」です。

ナイト

一騎討ちをする鎌倉武士をイメージするとわかりやすいでしょう。

一騎討ちなので、武器の性能と兵力数を掛け合わせた結果が、戦闘力となります。

戦闘力=武器性能×兵力数

このランチェスター第一法則を、織田信長と豊臣秀吉の戦い方に当てはめてみます。

当時の最新兵器だった鉄砲を駆使し、それまでとは異なる使い方で長槍を活用した信長。

対して秀吉は、情報収集力に長け、常に敵の数倍の兵力で戦うことで連戦連勝してきました。

こうした信長と秀吉の戦い方を、ランチェスター第一法則に当てはめてみると、

戦闘力=武器性能×兵力数

  • 武器性能を高めることで戦闘力を上げた信長
  • 兵力数で圧倒することで勝利し続けた秀吉

となります。

このランチェスター第一法則を、現代のビジネスに置き換えて考えてみます。

戦闘力=武器性能×兵力数

「戦闘力」とは、企業間競争においては競争力と言えるでしょう。

「兵力数」とは量的なこと。

すなわち、営業担当者の数や営業拠点数、売り場面積数など、数値化できるものになります。

店舗

そして「武器性能」は、質と位置付けられます。

商品力やブランド価値、サービス品質、営業担当者のスキル、情報システムなども武器となります。

クオリティ

現代ビジネスにおいて「武器性能」は、数値化しづらい定性的なものなので、全体像を捉えにくいかもしれません。

そこでまずは、顧客が選ぶ基準となる要素(機能・付加価値・価格)などでライバル社と自社を比較します。

天秤

これをやることで、勝敗を分けるポイントが見えてきます。

次にランチェスター第二法則ですが、これは接近戦ではなく「集団対集団」を想定した法則となります。

機関銃など、多数を同時に攻撃する近代的な「確立兵器」を使って、広い範囲で敵と離れて戦う場合に適用されます。

兵士

第二法則では、戦闘力が

戦闘力=武器性能×兵力数の2乗

で表されます。

3人対5人の戦いの場合、「3の2乗=9」対「5の2乗=25」となるので、攻撃力の差は大きくなります。

近代戦においては、兵力数の多い方が圧倒的に有利です。

このランチェスター2つの法則をビジネスに応用すると、

企業の力(競争力)とは

  • 局地戦の場合「競争力=武器性能×兵力数」
  • 広域戦の場合「競争力=武器性能×兵力数の2乗」

となります。

理論上は、武器性能を無限大化すれば勝てることになります。

工場

無限大の武器とは、画期的でほかが真似できないようなもの。

  • 発明特許
  • 著作権
  • 商標権

などの知的財産は法令で守られており、無限大の武器となる可能性はあります。

また、高度に専門的な技術やノウハウなど、他社が真似できないことも武器と言えるでしょう。

 

弱者の基本戦略は「差別化」、強者の基本戦略は「ミート」

チェス

弱者と強者では、とるべき戦略が根本的に異なります。

弱者の基本戦略は「差別化戦略」、強者の基本戦略は「ミート戦略」です。

弱者のとるべき差別化とは、武器性能を上げることで独自性や質の優位性を得ること。

差別化

差別化こそが、弱者の生き残る道です。

それなのに、ビジネスの実際の場面では弱者は強者の追従をしてしまう「小判ザメ商法」をとってしまうことが多いもの。

成長市場の前期では、それなりにおこぼれにあずかれることもありますが、その時期はごくわずか。

そのうち安売りせざるを得なくなり、あっという間に儲からなくなってしまいます。

一方、強者は弱者のマネをすればいいんです。

似ている

弱者が差別化してきたら、それをマネします。

そうすれば、弱者の差別化が差別化ではなくな理、同じようなものになります。

要は、顧客にその違いがわからないようにするんです。

違いがわからなければ、顧客は一番手を選びます。

この模倣戦略を、ランチェスターでは「ミート戦略」と呼びます。

 

ランチェスター戦略の3つの結論

チェス

戦争でもビジネスでも、戦いは競合局面における敵と味方の力関係で勝敗が決まります。

ビジネスにおいての力関係とは、シェアのこと。

局地戦と一騎打ち戦の場合は、3倍の差がつくと逆転は困難となります。

広域戦の場合は、ルート3倍で逆転困難に。

このことから、ランチェスター戦略の結論とは

  • ナンバーワン主義
  • 一点集中主義
  • 「足下の敵」攻撃の原則

の3つとなります。

 

ナンバーワン主義

表彰台

ランチェスター戦略では、ナンバーワンを特別な意味で使っています。

2位以下を射程距離圏外に引き離している、ダントツの1位のことをナンバーワンと言います。

1位であっても2位との差が射程距離圏内であれば、2位にその地位を奪われる可能性があり、その地位は不安定です。

でもダントツのナンバーワンになれば、2位以下は戦っても勝ち目はないと悟り、棲み分けを意識するようになります。

自然と、収益性は高まります。

 

一点集中主義

弓矢

弱者は強者に総合力で勝負を仕掛けても、勝てる見込みはありません。

ではどうすればいいのか。

その答えは、戦う土俵を1つに絞ることです。

自分達の事業領域を細分化し、細分化した小さな領域のどこか1つに集中し、小さなナンバーワンを作ります。

事業領域には、

  • 地域
  • 販路
  • 顧客層
  • 商品
  • 用途

などさまざまな選択肢が考えられます。

地域に根ざしたビジネスであれば、地域からナンバーワンをつくることが原則。

営業テリトリーや商圏を細分化し、勝てる地域に1点集中してナンバーワンを目指します。

では、どこに1点集中すべきか。

それは「勝ち易きに勝つ」という孫子の平方由来の戦略思想で選べばいいんです。

 

「足下の敵」攻撃の原則

チェス

市場が成熟している状態で、自社の売上利益を上げようと思ったら、同業他社の売上利益を奪うことになります。

では、自社の売上利益はどの敵から奪えば良いのでしょうか。

「勝ち易きに勝つ」というランチェスターの戦略思想を元にすれば、誰から奪うべきなのかは明確。

自社よりシェアがワンランク下の「足下の敵」です。

足下の敵に「ミート戦略」を仕掛け、相手の差別化を封じ込めるのが常套手段となります。

 

さいごに

どんなビジネスでも、常に勝ち続けることは難しいと思いませんか?

激しい競争環境の中で、なんとか負けまいと歯を食いしばって戦っているビジネスパーソンは多いはず。

そもそもビジネスの本質は、「顧客に通じて、敵(ライバル)に勝つ」ことです。

ビジネスとは、戦い。

負けたら儲かりません。

負け続けると、いつかは破綻してしまいます。

ではどうすれば、ビジネスで勝つことができるのでしょうか?

そのヒントを得られるのが、本書 新版 ランチェスター戦略 「弱者逆転」の法則 小さくても儲かる会社になる「勝ち方」です。

ランチェスター戦略とは、小が大に勝つための戦略理論。

大きな会社が小さな会社に勝つのは、当たり前です。

しかし、やり方次第、すなわち戦略次第では、小が大に勝つことができるんです。

本書では、53の事例をもとに、ランチェスター戦略をわかりやすく解説。

今日から使えるノウハウが満載の、非常に実践的な本ですよ。

それじゃ、またね。

 

 

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