やあ、いちもくだよ。
先日、会社で管理職を対象とした研修があったんだ。
一緒に研修を受けたのは、営業部や管理部で様々な経験を積んで、管理職に昇進した人たち。
講師のコンサルタントの話を、最初のうちは皆緊張した面持ちで聞いていたんだよね。
そんな僕たちに向かって、講師は
「プロデューサーやディレクターという言葉を聞いたことはありませんか。
テレビや映画の世界で、よく耳にする言葉ですね。
ディレクターとは、演出家・監督・指揮者、プロデューサーとは、製作責任者のことです。
あるグループの長であるということは、これらの役割を担うということです。
これを、会社に当てはめて考えてみましょう。」
と投げかけてきたんだ。
その後、研修はプログラムに従って進んでいったんだけど、僕はこの「プロデューサーとディレクター」という話が、どうも引っかかったんだよね。
テレビや映画の世界だけでなく、Web業界でもプロデューサーやディレクターという呼び名が使われることが多いよね。
プロデューサーもディレクターもも、何かを創り上げる際に方向性を示したり、チームをマネジメントしていかなければならない職種。
「プロデューサー」と「ディレクター」の違いをしっかり理解しておかないと、管理職としての自分の役割を、間違って捉えてしまうことになる気がするんだ。
テレビ局で働く友人から教えてもらった、「プロデューサー」と「ディレクター」の違いを参考に、中間管理職としてのプロデューサー・ディレクターについてまとめてみたよ。
プロデューサーとは

プロデューサーの仕事は、「これから何を創るかを決め、プランを立てて実行する」ことだよ。
何を創るかを決めるには、いろんな視点から考える必要があるんだよね。
例えば、5W2Hに当てはめて考えると
When(いつ) | いつまでに完成させるか? |
Where(どこで) | 取材や情報収集の必要性は? どこで製作するか? |
Who(誰が) | 製作するのに必要なメンバーは? ターゲットの対象者は? |
What(何を) | ターゲットにヒットするものは何か? |
How(どうする) | 製作スケジュールは? 競合に勝つにはどうすればいいか? |
Why(なぜ) | 製作する必要性は? 世の中に必要とされているか? |
How Much(いくら) | 製作に必要な予算は? |
こうした情報を総合的に把握したうえで、何を創るかを決めるのが、プロデューサーの仕事なんだ。
当然、自分の創りたいものを創るのではなく、ビジネスとして成り立つものをつくらないといけないよね。
例えば、テレビ番組のプロデューサーであれば、
「この番組をつくることで、スポンサーが喜ぶかどうか」
を考えた上で、番組内容の編成や宣伝活動を予算内で行うことになるんだ。
番組制作における「マネジメント」を行うのが、プロデューサーの仕事だよ。
ディレクターとは

ディレクターの仕事は、「良質なコンテンツを制作すること」なんだ。
プロデューサーが決めた「創るもの」をしっかりと理解して、使えるヒト・モノ・カネといったリソースを最大限活用し、良いものを創り上げるのが仕事だよ。
ここで言う「良いもの」とは、創る側にとって良いものではなく、使う人にとって良いものでなければならないんだ。
プロデューサーによって、決められた予算や日数を把握し、その範囲内で「良いもの」を創り上げるのが、ディレクターの仕事だね。
テレビ業界で言えば、ディレクターの仕事は、取材を行うカメラマンやスタッフの調整、編集スタッフの管理、適切な予算配分、スケジュール調整など、多岐にわたるよ。
テレビ業界のディレクターは、実際に自分で取材したり編集したりするわけではないけれど、番組のクオリティが重視されるから、クリエイターの視点が重要になるんだ。
それだけでなく、カメラマンや編集者など、様々な職種のメンバーをまとめる必要があるから、調整力やマネジメント力も必要になるよ。
ちなみに、現在日本で放送されているテレビ番組の多くは、テレビ局ではなく外部の制作プロダクションなどに業務委託されて創られているんだ。
テレビ局に所属する「プロデューサー」と、外部の「ディレクター」の関係は、様々な利害関係や力関係が働きがち。
苦労する場面も多いんじゃないかな。
ディレクターは、中間管理職になりがち

ディレクターは、プロデューサーとスタッフの間に挟まれる立場にあるんだ。
プロデューサーからは、予算や締め切りを突きつけられ、スタッフからは待遇や不満を突き上げられてしまう。
それぞれの板挟みになりがちなのが、ディレクターなんじゃないかな。
でも、ディレクターの仕事の醍醐味は、「良いもの」が創れた時の感動なんだと思うよ。
プロデューサーよりも、たくさんの人と深く関わる機会が多いディレクター。
ディレクターの個性や情熱が、チームの雰囲気を決定づけることも多々あるからね。
「良いもの」を創り上げていく楽しみこそ、中間管理職としてのディレクターを担う醍醐味だと思うよ。
仕事は、中間管理職が演出する「ステージ」

テレビや映画の世界では、プロデューサーやディレクターの最終目標は明確だよね。
期日までに、「良いもの」を創り上げること。
これを、会社に当てはめてみると、どうなるだろう。
営業部の場合、売上目標を達成するため、必要経費や人材を割り当てるのは、営業部長の仕事だね。
営業部長が割り振りしたリソースを使って、目標の売上を達成するためのプランを立て、実行するのは課長の仕事になるんだ。
営業部で言うプロデューサーは、営業部長。
ディレクターは、課長といったところかな。
係長や主任をはじめとする課員は、さしずめ俳優と考えてもいいんじゃないかな。
大きな目標やプランをプロデュースするのは、リーダーである営業部長の仕事だよね。
それをいかに部下に指示(ディレクション)し、最大限の力を発揮させ、成果を得られるか。
そこにチームリーダーの手腕が問われるんだ。
俳優や演出家やプロデューサーの意見が食い違うことがあっても、中間管理職であるディレクターが調整役になり、確固とした方針をもって部下に向き合えば、部下はおのずとついてくると思うよ。
仕事は、中間管理職である課長が演出する、一種のステージなんじゃないかな。
じゃ、またね。
\企業の本当の姿を知りたかったら/



