こんにちは、いちもくです。
街を歩けば、スーパーやコンビニにモノが溢れていると思いませんか?
今の時代は、モノを売ろうとしたり、値下げ合戦で商品を売ろうとしてもなかなかうまくいきません。
なぜなら、モノは有り余っているから。
そんな時代にモノを売ろうとしたら、商品に付加価値を加えて、ユーザーに満足感と価値を感じてもらうことが大切です。
そんなマーケティング視点でモノを売る人々の事例を紹介しているのが、「物を売るバカ 売れない時代の新しい商品の売り方」です。
なんとも挑発的なタイトルですが、中身は本格的なマーケティング視点で捉えた事例紹介になっています。
「最近、なかなかモノが売れないな」と悩んでいる営業マンや店舗運営者は、本書を読めばもっと売れるためのヒントが必ず見つかりますよ。
『物を売るバカ』
書籍名 | 物を売るバカ 売れない時代の新しい商品の売り方 |
著者名 | 川上徹也 |
発売日 | 2014年5月10日初版発行 |
版型 | 新書 |
『物を売るバカ』とは
本の冒頭部分は
タイトルの『物を売るバカ』を見て、ちょっとムッとして手に取ったあなた!
ゴメンナサイ。
この本は、決して「物を売る商売」をバカにするという意図で書かれたものではありません。
むしろとても尊敬しています。
中身を読んでいただければ、それがわかるでしょう。
という文章から始まります。
本書のタイトルに使われている「バカ」とは、著者なりの一種の愛情表現なのでしょう。
一生懸命「物を売る商売」をしているけれど、方向性が間違っているから売れていない。
そんな人のことを敢えて「バカ」と表現しているのでしょう。
- 愚直
- 猪突猛進
といったニュアンスに近いのかもしれません。
モノ余りの現代では、つくればモノが簡単に売れる時代ではありません。
売り手がどんなにいい商品だと思っていても、全ての人にとっていい商品だとは限りませんし、商品単体ではなかなか買ってもらえません。
頑張っているのに、「バカ」を見てしまう。
これまで通りのやり方では物が売れないからこそ、新しい売り方が必要となってきているんです。
本書のタイトル『物を売るバカ』とは、このような時代の変化に気付いてほしいという著者の強い気持ちが込められている気がします。
『物を売るバカ』に一貫しているテーマ
本書の中で一貫して書かれているのは、「物語で売りなさい」ということ。
世の中にモノが溢れている現代社会は、市場が成熟した社会でもあるんです。
売られている商品の品質は、良くて当然。
「なんだこの料理!マズくて2度と来るもんか!」
なんて飲食店は、最近はほとんど見かけないのではないでしょうか。
ということは、美味しい料理を出すだけでは差別化にはならないということ。
どれだけ美味しそうな料理を用意しても、運が悪ければ簡単に淘汰されてしまう可能性があるんです。
では、どうすれば他社やライバルと差別化できるのか。
その答えこそが「物ではなく物語を売る」ことなんです。
本書の中で、
- 物語の重要性
- 物語を創り方
- 物語を使った成功事例
が、具体的に紹介されています。
「物語で売る」とは
最近は、ストーリー性のあるテレビCMが増えてきました。
ソフトバンクやドコモなど、大手通信キャリアのCMは誰しも一度は見たことがあるのではないでしょうか?
「白戸家」や「三太郎」など、印象に残るキャラクター達が繰り広げるやり取りは、CMというよりもまるでドラマのよう。
CMの中で繰り広げられる物語に共感した人は、知らないうちに商品のファンになっていきます。
価格や品質ではなく、商品を手にすることで得られる喜びや感動、そして商品に関わる人たちの思いを伝えるのに、「物語」はピッタリなのかもしれません。
どうすれば「物語で売る」ことができるのか
物語(ストーリー)を用意したとしても、商品がすぐに売れるわけではありません。
無理矢理捻り出した物語だと、消費者からすぐに「ああ、商品を売りたいだけなのね」と見抜かれます。
本書の中では、
商売における「物語」は、創るものではなく発見するもの。
今までとは違った視点を持つことで、「物語」を発見することができる。
と解説されています。
「物語を発見する方法」や「物語で売る方法」とはどのようなものなのか。
多くの事例を紹介しながら、方法が解説されています。
さいごに
物が売れるためには
- 価格
- 品質
- 広告
- 流通
いずれかの要素が魅力的である必要があります。
でも、こうした要素とは全く関係なく売れている商品も多いのが現状。
そうした商品は、物語を使って商品の異魅力をユーザーに伝えていることが多いんです。
本書で紹介されている事例は、どれも莫大な開発費や宣伝費を使っているわけではありません。
商品が持つストーリーに、多くの人が共感したからこそ売れているんです。
取り扱っている商品には自信があるけれど、なぜかその価値が伝わっていないと悩んでいる人に、ぜひ読んでもらいたいおすすめの本ですね。
それじゃ、またね。