やあ、いちもくだよ。
我が家には、中学生と小学生の2人の娘がいるんだ。
2人とも、欲しいマンガや文房具、洋服があったら、自分で稼いだお小遣いで買うようにしているよ。
我が家では、毎月決まったお小遣いを渡していないんだ。
娘が小学校低学年の頃は、月の初めに家族で決めた「やるべきこと」を達成したら、お小遣いを渡すようにしていたんだよね。
そして娘が中学校に入学したタイミングで、お小遣いを「テストの点数買い取り制」に切り替えたんだ。
この「テストの点数買い取り制」を導入してから、娘は
- テスト前に集中して勉強したり、毎日少しずつ勉強したりと、自分なりに試行錯誤をするようになった
- 自分で稼いだお金を大切に使うようになった
- 「稼ぐのが楽しい」=「勉強するのが楽しい」と感じるようになってきた
- 世の中のニュースに興味を持ち始めた
と、いろんな変化が現れてきたんだ。
「テストの点数買い取り制」は、ちゃんとした金銭教育と一緒に導入すれば、「お金に対する正しい向き合い方」を親子で学ぶことができると思うよ。
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我が家で導入した「テストの点数買い取り制」とは?

我が家で3年前から導入している「テストの点数買い取り制」とは、とってもシンプルなルール。
中学生の娘の場合、
- 1学期の中間テスト
- 1学期の期末テスト
- 2学期の中間テスト
- 2学期の期末テスト
- 3学期の期末テスト
の5回の定期テスト結果を、1点10円で買い取るというルールなんだ。
たとえば、娘の中学1年生1学期の期末テストの結果は、
国語 | 69点 |
社会 | 81点 |
数学 | 53点 |
理科 | 94点 |
音楽 | 84点 |
英語 | 44点 |
オーラルコミュニケーション(英会話) | 53点 |
の合計478点。
これを1点10円で買い取ることになるから、娘に渡すお小遣いは4780円だったんだ。
娘にしてみれば、年間に5回お小遣いを稼ぐチャンスがあるということ。
ちなみに、長女が中学1年生のときに稼いだ合計金額は26,370円。
12か月で割ると、2197.5円になるね。
月々の平均金額に換算してみると、毎月決まったお小遣いを渡している家庭と比較しても、それほど差はないんじゃないかな。
なぜ、「テストの点数買い取り制」を導入したのか

僕は大学を卒業後、商社に就職して営業の仕事を続けてきたんだ。
会社員をしていると、毎日一生懸命努力して結果を出しても、すぐに給料の金額が変わるわけではないよね。
反対に、少しくらいサボったとしても、いきなり給料が減ることは少ないはず。
こうしたサラリーマン生活に慣れてしまうと、「毎月決まった日になれば、自動的にお金がもらえる」ということに疑問を持つ人は少ないんじゃないかな。
僕は、それが気になっていたんだ。
僕はサラリーマンをしながら約19年間ブログを続けているんだけど、これまでにブログからたくさんのものを得てきたんだ。
人とのつながりだったり、知識だったり、収入だったり。
特に、お金に対する考え方はブログを通して大きく変化したんだよね。
- お金は自動的にもらえるものではない
- たくさんのお金を稼いでいる人は、たくさんの人の役に立つことをした人
- お金は豊かな生活を送るための手段であり、お金を稼ぐことは目的ではない
といった気づきがあったんだ。
だから僕は、「お小遣いは毎月決まった日になれば、自動的にもらえるものではない」ということを娘に教えたいと思ったんだ。
「テストの点数買い取り制」を導入して気づいたこと
子どもは「何のために勉強しているのか」なんて分かっていない

僕は幼いころ、親から毎日のように
「ちゃんと勉強しなさい! 勉強しないと将来いい大学に入ったりいい会社に入ったりできないから!」
と言われ続けてきたんだ。
だから毎日、一生懸命勉強していたんだよね。
でも、本当に自分の将来のために勉強していたかというと、全然そんなことはなかったんだ。
僕はなぜ一生懸命勉強していたのか?
それは、
- 親から勉強しろと言われ続けたから
- 周りも一生懸命勉強していたから
- 勉強さえしていれば、親は満足そうだったから
要は、「自分の将来のために勉強しよう!」なんて本心では全然思っていなかったんだよね。
親が子供に「勉強しなさい!」というのは、子どもの将来を考えてのことだと思うよ。
でも、実際のところ、子どもは「何のために勉強しているのか」なんて分かっていない場合がほとんどじゃないのかな。
中には
「自分は勉強が大好き!」
という子どももいるかもしれないけれど、それは勉強を勉強としてではなく、クイズやゲームとして楽しんでいる人かもしれないね。
我が家の娘も、僕と同じく勉強はあまり好きではなかったんだ。
でも、「テストの点数買い取り制」を導入することで、勉強をゲーム感覚で楽しめるように変化したよ。
アメリカでは以前から受け入れられているシステムだった

僕は学生の頃、アメリカのボストンに留学していたことがあったんだ。
アメリカの小中学校では、担任の先生のやり方で「ご褒美制度」が決められていることも多いんだよね。
たとえば、
- 友達に親切にしたら、ご褒美としてチョコレートを1つあげる
- テストで良い点を取ったら、ご褒美にレーズンのおやつを食べられる
といったもの。
反対に、宿題を忘れたり遅刻をした場合は、貯まっていたポイントを減点されるなどのペナルティが課せられることもあるんだ。
こうしたシステムは、担任の先生の裁量が大きなアメリカならではの教育なのかもしれないね。
- 努力した姿勢
- 努力の結果
によって、報酬が違ってくることを体感できれば、それは現実社会を学ぶ上でとっても役立つもの。
もしかすると、日本では「勉強すること」自体が目的になってしまっているのかもしれないね。
勉強することは、あくまでも現実社会に出て活躍するための「手段」。
「目的」と「手段」をはっきりさせておかないと、何のために勉強するのか分からないという子どもがどんどん増えてしまうんじゃないかな。
自分で稼いだお金は、よく考えて使うようになった

娘が定期テストの度に手にするお小遣いは、自分で努力して得たお金。
だからこそ、無駄遣いしないで大切に使うようになってきたんだ。
実際の労働や仕事とは違うとはいえ、お金を手にすることの大変さを身をもって学んでいるみたいだね。
高得点を取るための方法を自分で考えるようになった

「テストの点数買い取り制」を導入してから、娘は勉強方法を試行錯誤するようになったんだ。
テスト前に何時間も机にかじりついて勉強してみたかと思えば、毎日少しずつ勉強してみたりと、自分に合った勉強方法を探し始めたんだよね。
驚いたのは、この間
もっと自分に合った勉強のやり方を知りたいから、塾に通わせてほしい
なんて言ってきたんだ。
最初のうちは、テストの点数が悪いとお小遣いが少ないから、友達と遊びに行けなくて困る程度だったんだろうけど、最近は違ってきたみたい。
勉強の面白さや社会の仕組みに興味を持ち始めたみたいなんだよね。
誰だって見返りが欲しいもの

大人が仕事を頑張ったり、大学生が深夜までアルバイトをしたりするのは、いろんな理由があると思うよ。
- たくさんお金を稼ぎたい
- 欲しいものがある
- ライバルに勝ちたい
- 人に認められたい
など。
人によって、いろんな理由が仕事のモチベーションになっているんじゃないかな。
これって、子どもだって同じだと思うよ。
モノやお金といった報酬は、分かりやすい結果。
でも、
- クラスの中で成績はいいから、今のポジションを維持したい
- 一生懸命勉強した結果を、親や先生、友達に認めてもらいたい
といった欲求だってあると思うんだ。
- 努力の家庭
- 努力の結果
を褒めつつ、お小遣いという具体的な見返りを示してあげると、勉強に対するモチベーションは上がりやすいんじゃないかな。
「テストの点数買い取り制」を導入する際の注意点
必ず金銭教育を同時並行させる

日本では
- ご褒美を与えて勉強させるのは、教育上良くない
- 勉強したらお金を与えるなんて、もってのほか!
なんて考える人が多いんじゃないかな。
その心理の根底には、
- お金は汚いもの
- お金を稼ぐことばかりを考えるのは悪いこと
といった価値観があるかもしれないね。
お金って、本当に悪いものなのかな?
経済においてはなくてはならないものだし、生きていく上で必要なものだよね。
大人だって、
この仕事は多くの人の幸せにつながる素晴らしい仕事だ。だから報酬が多いか少ないかなんて、考えるのは悪いことだ。
なんて言われたら、やる気にならないんじゃないかな。
もちろん、大人が仕事をする目的と、子供が勉強する目的は違うものだから、一緒にするわけにはいかないけれどね。
でも、そもそもなんで勉強するのかという「目的」を考えたら、「テストの結果に対してお小遣いを与えるなんて、もってのほか!」なんてのは間違っている気がするんだ。
テストの点数買い取り制を導入することで、正しい金銭教育について考えるきっかけになるんじゃないかな。
我が家では、娘と一緒にこの本の内容についてじっくり話し合ったんだ。
読めば子どもだけでなく、親のお金に対する価値観も大きく変化すると思うよ。
お金を出してでもテストの点数を買いたいと思うのは誰なのか

絶対に子どもに理解させておきたいのは、「なぜ、テストの点数がお金に換えられるのか」ということ。
テストの結果を、お金を支払ってでも買いたいという人とは、果たして誰なのか考えさせることが大切なんだよね。
それは親なんかではなく、将来の自分なんじゃないかな。
「学生時代、もっと勉強しておけばよかった」
と後悔しても、過去には戻れないもの。
もしも過去に戻れるとしたら、大金を支払っても構わないという人もいるんじゃないかな。
「テストの結果がお金に換わる」という本当の意味を知れば、自然と勉強にも熱が入ると思うよ。
さいごに
脳科学・心理学・教育学から見た場合、「テストの点数買い取り制」のような報酬システムは、良くないものとする意見は多いみたいなんだ。
子ども達自身の中からわき出てくる、本当のやる気は養われない
といった理由でね。
でも、僕の場合は勉強に対して心から面白いと思える「本当のやる気」を感じたことはほとんどなかったんだ。
勉強が面白い・役に立つと思えたのは、社会人になってから仕事で使える心理学を学びはじめてから。
それまでは、すぐに役立つとは思えない勉強を、なんでこんなに続けなきゃいけないのかと苦痛に感じることが多かったんだよね。
「テストの点数買い取り制」を導入すれば、勉強に対するモチベーションを高めたり、お金に対する正しい認識を身につけるいいきっかけになると思うよ。
じゃ、またね。



