こんにちは、いちもくです。
「ランチェスター戦略」という言葉を聞いたことはあるけれど、具体的にどのようなものか分からないという人は多いのではないでしょうか?
ランチェスター戦略は、空中戦における損害量から導き出された「競争の科学」です。
第一次世界大戦中にイギリスで生まれたこの軍事戦略は、アメリカで体系化され、日本で完成しました。
この戦略は「営業」だけでなく、「経営」「マーケティング」「販売促進」など、あらゆるビジネスの場で応用できるスグレモノ。
ランチェスター戦略を学べば、「たまたま勝つ」のではなく、「狙って勝つ」ための法則が身に付きます。
そんなランチェスター戦略をマンガで詳しく解説しているのが「決定版 ランチェスター戦略がマンガで3時間でマスターできる本」です。
ランチェスター戦略の理論だけでなく、
- ビジネスで勝つための地域戦略
- 営業マンの時間管理術
- インターネットで活用するランチェスター戦略
など、実戦で応用できるテクニックが満載。
今回は、そんな決定版 ランチェスター戦略がマンガで3時間でマスターできる本の必読ポイントを解説していきます。
ランチェスター戦略とは?
ランチェスター戦略は、ビジネスにおける競争に、運任せや根性論で立ち向かうのではなく、科学的な戦略を活用して勝利することを目指したものです。
そんなランチェスター戦略の基礎は、イギリス航空工学のエンジニアだったF・W・ランチェスターが、第一次世界大戦で発見した戦闘力に関する法則がもとになっています。
F・W・ランチェスターが発見した2つの法則とは、
- 古典的な一騎打ちの寄せ集めの戦闘における法則を1次式で表せるとした「第一法則」
- 近代的な兵器を使用した集団的かつ近代的な戦闘を2次式で表せるとした「第二法則」
のこと。
第一法則は、剣や弓矢で戦う古典的な戦闘に関する法則です。
古典的な戦闘では、個々の味方が個々の敵を相手とする「一騎討ち」を基本とした局地戦になります。
そのような「局地戦」の場合、戦闘力は「兵力×武器効率」で決まります。
同じ兵力なら刀より鉄砲を持っている方が強く、逆に同じ鉄砲を持っているのであれば兵隊の数が多い方が強くなります。
一方、第二法則は小銃やマシンガンといった兵器を利用した近代戦に関する法則です。
この場合は戦闘力が「兵力の2乗×武器効率」で決まります。
つまり広域戦では、兵力が戦闘力に与える影響がより大きくなるということ。
この「第一法則」と「第二法則」は、現代のビジネスにおけるさまざまな場面で活用されており、
フォルクスワーゲンのセールス戦略
黄金期を迎えたフォードからシェアを奪回したGM
日本に上陸して大人のアイスクリーム市場を開拓したハーゲンダッツ
国内でインターネット回線の価格破壊を起こしたソフトバンク
といった有名企業の販売戦略も、この2つの法則で説明できるとされています。
決定版 ランチェスター戦略がマンガで3時間でマスターできる本 必読ポイント
「戦術」よりも「戦略」が重要な理由とは?
戦争においても市場競争においても、勝つためには戦略と戦術が必要になります。
戦略とは、勝つための方法を長期的かつ大局的に策定すること。
ビジネスで言えば、市場競争で勝つために経営資源をどのように活用し、組織をどのように運用していくかを、長期的かつ総合的に計画したシナリオを作成するのが戦略です。
そして戦術は、戦略を達成するために、実際に兵を動かすための実行方法を示すこと。
ビジネスでいえば実際に戦略に基づいて企画された商品を開発・製造することや、これを売るための広告・宣伝活動・販売活動を行う方法を示すのが戦術です。
戦略は意思決定という「目に見えない活動」ですが、戦術は行動という「目に見える活動」であると言えます。
戦略は「桃のタネ」
戦略をたとえるならば「桃のタネ」
戦略は、目に見えない活動であることから「桃の種」にたとえられます。
その理由は3つ。
1つ目は、外からは見えないということです。
戦略は戦術に移されるまでは相手から見えることはありません。
2つ目は、硬くて割れないということ。
戦略は長期的・大局的に打ち立てられるものであり、一度打ち立てたら簡単には変更すべきではありません。
もしも簡単に割れてしまうようであれば、組織の意思統一が困難になってしまいます。
そして3つ目は、見た目が美しくないということ。
桃の実は、外観は綺麗で美味しそうですが、中心にある種は細かな凹凸があり、色も美しいとは言えません。
すなわち戦略とは、相手の裏をかいたり奇襲で混乱させたりするなど、決してきれいごとばかりではないということなんです。
「戦略力」に3分の2を、「戦術力」に3分の1を配分する
ランチェスター戦略モデル式では、戦闘力を「戦略力」と「戦術力」に分けて考えます。
全戦闘力のうち「戦略力」に3分の2を、「戦術力」に3分の1を配分することで、最小限の損害で最大限の成果を達成するとされています。
これは裏を返せば、敵を攻撃する際に「戦略力」と「戦術力」のどちらに大きなダメージを与えるべきかということにもつながります。
例えば、敵の「戦略力」の1つである生産能力としての工場を攻撃すれば、敵の戦闘力に大きなダメージを与えることができます。
太平洋戦争時に、アメリカ軍が使用したB29は「戦略爆撃機」と呼ばれていました。
アメリカ軍がいかに「戦略力」の重要性を認識していたのか窺い知れるエピソートです。
ビジネスにおいても、戦略をしっかりと練るかどうかが、市場での勝ち負けを決めることにつながります。
地位ごとに異なる戦略
- 市場占有率が低い企業
- 新規参入しようとしている企業
は、弱者として慎重に戦略を立てる必要があります。
目指す市場に圧倒的強者がいた場合、広域戦に引き込まれたり、確立戦になってしまうと、叩き潰されてしまう可能性があります。
そのため、弱者は強者とまともに広域戦を行うことを避けなければいけません。
ビジネスにおいては、地位ごとに異なる戦略を立てる必要があります。
1位の企業の戦略
差別化戦略を取る必要はありません。
下位企業の戦略を真似した、ミート戦略を実践し続けます
ちなみにミート戦略の中には、ツーブランドシステムという挟み撃ちの戦法があります。
例えば下位の企業が画期的な新商品を出したら、1位の企業は同種の製品を2タイプ出すという方法。
1つは下位企業の商品よりも価格が高い商品。
そしてもう1つは下位企業の商品よりも価格が低い商品です。
このように下位企業の商品を挟み撃ちにして市場の占有率を高めます。
2位と3位の企業の戦略
上位と下位の企業に対して、差別化を行います。
2位の企業であれば、1位の企業に対して差別化を行うと同時に、3位の企業の差別化を潰す戦略を取ります。
また、3位以下の企業は上位の企業が自社に攻撃しないように1位に注意を向けさせたり、あるいは共に1位の企業を攻撃するように誘導したりするのも効果的です。
4位の企業の戦略
4位企業は、トップ3が競い合っている間にそのスキを狙った差別化を行います。
「競争目標」と「攻撃目標」の違い
自社より上位にある強者は、あくまで競争目標として捉えるべきです。
絶対に攻撃目標としてはいけません。
攻撃目標は、自社のすぐ下に位置する会社です。
つまり、自社が業界2位に位置するのであれば、1位の企業は競争目標。
そして3位の企業が攻撃目標となります。
日本の地域戦略における、2つのジンクス
日本では昔から、地域戦略におけるさまざまなジンクスがありました。
代表的なものに、
- 西側拠点説
- 北守南進説
という2つのジンクスがあります。
西側拠点説
西側拠点説は、最終目標地の西側に拠点を置くと攻めやすいというもの。
たとえば、盛岡市を攻めるのであれば一関市に、高松市を攻めるのであれば松山市に、広島市を攻めるのであれば北九州市に拠点を置くというものです。
実際に、日本では東から西に出て成功した実業家は少ないんです。
このジンクスは、日本の気象条件によるという説もあります。
一般的に、日本の天気は西から東に移動するもの。
情報が発達していなかった昔は、雲の流れなどから天候を占っていました。
そのため、天候の変化に関する情報は西から東へ流れやすくなります。
それと同時に、天候以外の情報も西から東へ伝播することが多くなったのだという説です。
北守南進説
北守南進説は、点の中で有効とされる攻撃法です。
日本各地にある城は、敵の侵入をふさいでくれるような険しい山などを北側にしてつくられているため、南から攻めてくる敵に対して攻撃しやすいよう構築されています。
これが北守南進型。
そのため、地域内の攻撃法としては、先に北側を片付けてから南側を固めておくというのが定石です。
北を固めてから、南から北へ攻めていく。
たとえば、先に東北地方を押さえてから九州地方を押さえる。
その上で、九州から北上するように攻めていくとうまくいくというジンクスです。
さいごに
「ランチェスター戦略」という言葉を聞いたことはあるけれど、具体的にどのようなものか分からないという人は多いのではないでしょうか?
ランチェスター戦略は、空中戦における損害量から導き出された「競争の科学」です。
第一次世界大戦中にイギリスで生まれたこの軍事戦略は、アメリカで体系化され、日本で完成しました。
この戦略は「営業」だけでなく、「経営」「マーケティング」「販売促進」など、あらゆるビジネスの場で応用できるスグレモノ。
ランチェスター戦略を学べば、「たまたま勝つ」のではなく、「狙って勝つ」ための法則が身に付きます。
そんなランチェスター戦略をマンガで詳しく解説しているのが「決定版 ランチェスター戦略がマンガで3時間でマスターできる本」です。
ランチェスター戦略の理論だけでなく、
- ビジネスで勝つための地域戦略
- 営業マンの時間管理術
- インターネットで活用するランチェスター戦略
など、実戦で応用できるテクニックが満載。
今回紹介した内容以外にも、面白くて役に立つ情報が満載のおすすめ本ですよ。
それじゃ、またね。
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