こんにちは、いちもくです。
家族間の深刻な対立、職場での人間関係の行き詰まり、コミュニケーションの断絶…。
誰もが一度は経験したことのある「人との関係」の悩み。
そんな現代社会で増え続ける心の問題に、新たな光を投げかけるのが「オープンダイアローグ」というアプローチです。
本書は、フィンランドで生まれた画期的な対話法「オープンダイアローグ」をマンガと解説で分かりやすく紹介する一冊です。
「心の病に向き合う」とは何か、そして「本当の対話」とは何かを考えさせてくれるだけでなく、誰でも試せる具体的な方法まで教えてくれます。
オープンダイアローグの可能性を知れば、明日からでも誰かと対話を始めたくなること間違いありません。
本書の要点
1. オープンダイアローグは「正解」を求めない対話方法
患者を中心に、家族や関係者が集まり、対話を重ねることで解決を目指す方法です。
治療者の主導ではなく、参加者全員が対等な立場で進められます。
2. 「5つの柱」がオープンダイアローグの基本原則
対話を続けるだけでいい、計画は立てない、チームで行う、患者によるリフレクティング、ハーモニーではなくポリフォニーという原則が支柱です。
3. 「べからず集」で語られる重要な心得
説得や議論、体験の否定を避け、「わかったつもりにならない」ことが大切。
これらを守ることで、対話の質が保たれます。
『まんが やってみたくなるオープンダイアローグ』の必読ポイント
オープンダイアローグは「正解」を求めない対話方法
オープンダイアローグはフィンランドで生まれた心理療法で、精神疾患に対する新しいアプローチとして注目されています。
従来の対話や相談では、問題解決のための「答え」や「アドバイス」を求めがちです。
しかし、オープンダイアローグでは、それらを一切求めません。
代わりに、参加者全員が対等な立場で話し合い、各々の思いや考えを共有することに重点を置きます。
本書では、ひきこもりの若者との関わり方や、夫婦間の危機など、身近な事例をマンガで紹介。
「答え」を急がず、ただ対話を続けることで状況が好転していく様子が、リアルに描かれています。
「5つの柱」がオープンダイアローグの基本原則
解説編で詳しく紹介される「5つの柱」は、オープンダイアローグを実践する上での基盤です。
対話を続けるだけでいい
解決を急がず、対話そのものを目的にする。
これにより、自然と問題が整理されていく。
計画は立てない
あらかじめ解決策を決めず、その場の状況に応じて柔軟に進めることが重要。
チームで行う
治療者が一人で抱え込むのではなく、複数人で協力し合うことで多角的な視点を提供する。
リフレクティング(患者に治療者を観察してもらう)
患者が治療者の会話を聞き、そのフィードバックを受けることで、参加者全員が新たな視点を得る。
ハーモニーではなくポリフォニー
全員の意見が均一である必要はない。
多様な声を受け入れることで、新たな発見が生まれる。
これらの原則は一見シンプルに思えますが、実践することで従来の治療アプローチとは異なる深い効果を生み出します。
「べからず集」で語られる重要な心得
「べからず集」は、オープンダイアローグを行う際に避けるべき行動について明確に示した部分です。
説得、議論、説明、尋問、アドバイスはしない
説得やアドバイスは、相手の主体性を損なうため避けるべきです。
対話では相手の意見を尊重し、そのまま受け止めることが重要です。
体験を否定しない
相手の話を否定すると、信頼関係が壊れてしまいます。
共感的な姿勢を心がけましょう。
わかったつもりにならない
「こういうことね」と結論づけず、相手の言葉をじっくり受け止め、さらに問い直す姿勢が求められます。
これらの心得を守ることで、オープンダイアローグが持つ「開かれた対話」という理念が実現します。
さいごに
人間関係の悩みは誰にでもあります。
しかし、その解決方法は必ずしも「アドバイス」や「正解」を見つけることではないのかもしれません。
本書は、対話を通じて相互理解を深め、それぞれの「声」を大切にする新しいアプローチを提案しています。
家族関係の改善や職場のコミュニケーション向上に悩む方はもちろん、人との関わり方について深く考えたい方にもお勧めの一冊です。
普段の会話に少しの工夫を加えるだけで、関係性は大きく変わる可能性がありますよ。
それじゃ、またね。
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