こんにちは、いちもくです。
僕は本が好きで、毎月50冊くらい読んでいるんですが、映画も大好きなんです。
映画を観る前には、できるだけ原作を読んでから行くようにしています。
この間夏のボーナスが出たから、2017年夏に公開される、映画やドラマの原作・17作品を買って読んでみました。
2017年夏の映画やドラマは、面白そうな作品が揃っていましたよ。
忍びの国
大野智主演の映画の原作小説です。
時は戦国。
忍びの無門は伊賀随一の腕前を持っているんです、怠け者の性格が災いして、全く稼ぎがありません。
ある時無門は、百文の褒美目当てに、他家の伊賀物を殺めてしまいます。
その頃、伊賀攻略を狙う織田信雄郡と伊賀の忍び軍団との大戦がはじまっていく・・・。
あまり歴史に興味が無い人でも、気軽に読める作品ですね。
とにかくスピード感のあるストーリーなので、一気に読み切るのがオススメ。
君の膵臓をたべたい
大ベストセラーの本で、映画も話題ですね。
高校生の主人公が、病院で1冊の文庫本を拾う場面からストーリーが始まります。
拾った本のタイトルは「共病文庫」。
それはクラスメイトの山内桜良が綴っていた日記帳だった・・・。
普段本を読まない中高生が読むのにも、とてもいい本です。
読みやすいので、この本がきっかけになって小説好きになる人は多いのではないでしょうか。
海辺の生と死
第15回田村俊子賞受賞作品。
小説家である島尾敏雄さんと、同じく小説家であり妻でもある島尾ミホさんの、愛の物語。
映画『海辺の生と死』は、島尾敏雄さんの作品『島の果て』と、島尾ミホさんの『海辺の生と死』の2作品を原作にしています。
太平洋戦争末期、奄美諸島の加計呂麻島という美しい島で、教師・トエと海軍特攻艇隊長・朔が出会います。
島尾夫婦の出会いを著した、実録小説ですね。
実体験を元にして書かれたストーリーなので、内容はリアルなんですが、淡々と語られています。
この作品に書かれた2人の出会いの続きは、島尾敏雄さんの『死の棘』という長編小説で読むことができます。
心が叫びたがってるんだ。
幼いころ、何気なく口にした言葉がきっかけで家族がバラバラになってしまった成瀬順。
突然現れた「玉子の妖精」に、お喋りを封印する呪いをかけられてしまいます。
以来、トラウマを抱え目立たないように生きてきたんですが、クラスメイトの拓実、菜月、大樹と共に「地域ふれあい交流会」の実行委員に選ばれてしまいます。
さらには出し物に決まったミュージカルの主役にまで抜擢されて・・・。
恋愛や友情、家族関係と、様々な人間関係が面白いストーリー。
心に溜め込まず、時には叫んでみることも必要だと気づけるはずです。
パンドラの少女
映画『ディストピア パンドラの少女』の原作小説。
メラニーという名の1人の少女。
大好きなジャスティノー先生と教室で会えるのを心待ちにして、独房で過ごしていました。
移動の際は、手足を首をストラップで厳重に固定されて、車椅子で兵士に連れられていく生活。
世界中で拡大するゾンビの被害で、滅亡に瀕している世界。
メラニー達は奇跡の子どもと呼ばれ、研究プロジェクトが進められていました。
そう、その日までは・・・。
読み進めれば進める程、絶望感がどんどん湧いてくる小説。
ラストまで一気読みするのがオススメです。
身体を売ったらサヨウナラ
家柄も良く、常にエリートコースを歩んできた筆者。
幸せな昼の世界の生活だけでは退屈を感じた彼女は、夜の世界に心の拠りどころを求め始めます。
読み終わって感じたのは「果たして筆者はこれからどこへ向かうんだろうか」ということ。
社会学者の肩書を持つ筆者ですが、これまでに失ったものもたくさんあるような気がしますね。
小鳥を愛した容疑者
銃撃を受けて負傷した警視庁捜査一課の鬼警部補・須藤友三は、リハビリも兼ねて、容疑者のペットを保護する警視庁総務部総務課“動植物管理係”に配属されます。
そこでコンビを組むことになったのが、新米巡査の薄圭子。
人間よりも動物を愛する薄巡査が、現場に残されたペットから名推理を披露するというストーリーです。
会話の量が多くて、スラスラと読みやすい文章ですね。
読みやすいけれど、謎解きの部分はとても緻密につくられているから、ミステリー愛好家も思わず唸っちゃうくらい面白い作品になっています。
アキラとあきら
僕の大好きな作家・池井戸潤さんの作品。
零細工場の息子・山崎瑛(あきら)と大手海運会社東海郵船の御曹司・階堂彬(かいどうあきら)が主人公。
生まれも育ちも違うふたりですが、それぞれ宿命を背負って生きてきたんです。
銀行を舞台に2人は出会い、やがてそれぞれの立場でお互いが持てる力を最大限に発揮するようになります。
『半沢直樹』や『下町ロケット』のように、目の前に次々と起こる問題に向き合うストーリーは、スピード感に溢れています。
スピード感のある物語で、ストーリーはあっという間にクライマックスを迎えるのですが、最後は思わず熱い気持ちが沸き起こってくるはずです。
セシルのもくろみ
人気女性誌『STORY』で連載されている小説。
平凡な生活を送る専業主婦・宮地奈央。
友人に誘われて、軽い気持ちで応募した女性誌『ヴァニティ』の読者モデル募集で、思いがけず採用されてしまったことから、生活が一変しはじめます。
華やかなファッションの世界に渦巻くモデルたちの様々な思惑に困惑しながらも、奈央は「負けたくない」という自分の中の「女(セシル)」に気付く。
女性の世界って、男性社会とはまた違った大変さがありそうですね。
悦ちゃん
お転婆でおませな10歳の女の子・悦ちゃん。
早くに母親を亡くして、のんびり屋の父親と二人で暮らしていたのですが、突如再婚話が持ち上がってきます。
悦ちゃんの人を見る目や、本質を見抜く力には鋭いものがあって興味深いですね。
背伸びせず、子どもの時間を楽しめる作品です。
生活安全課0係 ファイヤーボール
小泉孝太郎さんが主演するドラマ「警視庁ゼロ係」の原作。
「空気は読めないが人の心は読める」という、変人キャリア刑事の非常識捜査が面白い作品ですね。
まばたき、爪先の向きなど、相手の表情、仕種から知識と独特の観察眼で真相を暴いていくという、異色のストーリーになっています。
これくらい空気を読めない&読まない人が実際にいたら、社会で生きていくのはなかなか大変かもしれませんね。
でも、そこが面白いんです。
遺留捜査
ドラマのノベライズ作品。
鑑識員たちが集める「遺留物」や「遺留品」。
警視庁捜査一課の科学捜査係主任・糸村聡は、被害者が遺した「子供の頃から大切にしていたおもちゃ」や「日常肌身離さず持ち歩いていたもの」にこだわり、科学捜査だけでは辿り着くことが出来ない被害者の知られざる一面を浮き彫りにしていきます。
常識とは異なる方法で、ドンドン犯人を追い詰めていくのが圧巻のストーリーです。
居酒屋ふじ
役者志望の主人公が、オーディション帰りにふらりと立ち寄った小さな居酒屋。
店内には、壁いっぱいに貼られたサイン色紙に、有名選手の記念バット。
東京都目黒区に実在する、著名人が通い続ける居酒屋の伝説おやじの話です。
おやじの80余年の強烈な生き様は、勇気と希望を与えてくれます。
伝説おやじの温かさや苦労話をギュッと1冊にまとめた本なんですが、内容が凄く濃いんです。
行ってみたいな、居酒屋ふじ。
関ヶ原
天下分け目の決戦「関ヶ原の戦い」の、起因から終結までを克明に描いた小説。
秀吉の死によって傾きはじめた豊臣政権を簒奪するため、次々と謀略をめぐらす家康。
そして豊家安泰を守ろうとする、石田三成。
司馬遼太郎の『関ヶ原』では、戦いよりも人物に焦点を置いて描かれています。
特に、石田三成のパーソナリティが緻密に分析されていますね。
「忠義」に生きた三成と、「人間」の本質を追い求め続けた家康。
この大作小説は、死ぬまでに一度は読んでおいてもらいたい作品ですね。
星砂物語
太平洋戦争末期の、沖縄孤島で起きた物語。
1956年、アメリカ軍の調査団が沖縄近くの孤島で、白骨化した3人の遺体と日記を発見します。
3人の遺体は、アメリカ生まれの16歳の少女と、日本軍の脱走兵、アメリカ軍の脱走兵のものでした。
発見された日記を紐解いていくと、様々な秘密が解き明かされていきます。
読んでいて気持ち良い文章で書かれている小説ですね。
平和について、考えるきっかけになる本。
幼な子われらに生まれ
バツイチ子持ち同士で結婚した夫婦の話。
主人公の夫は、再婚相手の妻とその連れ子2人の娘と、幸せな家庭を築こうと努力していました。
でも、妻の妊娠を契機に長女は露悪的な態度をとるようになり、『ほんとうのパパ』に会いたいと言うようになります。
そんなギスギスした空気に耐えられなくなり、つい妻に子供を堕ろせと言ってしまう・・・。
家族とは何なのか、身近な人の幸せの大切さなどを感じさせてくれる物語です。
伊藤くんA to E
イケメンでボンボンで博識な伊藤誠二。
でも性格は自意識過剰で幼稚で無神経。
人生の決定的な局面から逃げ続けているけれど、彼の周りには恋の話題が尽きません。
登場する女性の視点を通じて、共感する部分もあれば、そうでない部分もたくさんある作品でした。
思わず続きが読みたくなるような、不思議な物語ですね。
さいごに
2017年7月と8月に公開される、映画・ドラマの原作小説17作品を読んでみました。
特に『アキラとあきら』『小鳥を愛した容疑者』『居酒屋ふじ』は、もう一度読みたいし、続きが読みたいと思えた作品です。
ぜひ、一読してみるのをおすすめします。
それじゃ、またね。
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