こんにちは、いちもくです。
会議などで上司から
「何か良いアイデアはないか?」
なんて聞かれたことがある人は多いのではないでしょうか?
いきなりそんなことを言われても、良いアイデアは簡単に思いつけるものではありません。
特に「イノベーション」を起こすような素晴らしいアイデアは、普通の人には思いつけない、天才のひらめきなのだと考える人も多いはずです。
でも「良いアイデア」は、コツさえ知れば誰でも創造できてしまうもの。
そんなアイデアをプロセス立てて発想できる方法が「デザイン思考」です。
デザイン思考を最初に提唱したのは、アメリカのデザインコンサルティング会社・IDEO社。
2000年代中頃、アメリカのシリコンバレーで瞬く間に注目された企業です。
アップルの最初のマウスをデザインしたり、iPodの商品開発に深く関わったことで多くの人に知られるようになりました。
アップル製品だけでなく、医療機器やキッチン用品、銀行の金融商品まで「デザイン」し、アメリカのビジネスウィーク誌から「世界で最もイノベーティブな企業25社」に、デザインコンサルティング会社としては唯一選ばれました。
そんなIDEO社が提唱したビジネスプロセスこそが「デザイン思考」なんです。
あなたの仕事に課題がある限り、そこには「良いアイデア」が求められます。
今回は、そんな魔法のようなデザイン思考を誰でもわかりやすく学べる「まんがでわかるデザイン思考」の必読ポイントを詳しく解説していきます。
「まんがでわかるデザイン思考」のストーリー
主人公は、カフェチェーン「SHEE-n」で働く三島雄介。
入社3年目で、品河店の店長を任されていました。
ある日、本社の柚木部長が品河店を訪れます。
そこで雄介は、「魔の丸の口店」の店長として異動するよう通達されてしまいました。
丸の口店は、誰も立て直すことができなかった、SHEE-n全店中最悪の赤字店舗。
そのため、使えない社員を追い出すための店舗と噂されていたんです。
なぜ、雄介は丸の口店に異動となってしまったのでしょうか?
それは、雄介が提出した新メニュー案や販促企画に魅力がなかったから。
柚村部長から「お前には想像力がない」と言われ、雄介はショックを受けてしまいます。
本社が求めているのは、「真面目で堅実な店長」ではありません。
SHEE-nグループを大きくできる想像力を持った人材なんです。
悩みながらも、新店舗で仕事を始める雄介。
そんな雄介の働く店舗に、大手文具メーカーの会長・大西幸正が訪れます。
「人間の行動と感情を観察」するのが趣味の大西会長。
雄介が大西会長に悩みを話すと、「インプルーブメント(改善)ではなく、イノベーション(革新)が必要なのかもしれない」というアドバイスをもらいます。
イノベーションとは、今まで誰も気づけなかった
- アイデア
- 視点
- 方法
で物事を改善すること。
新しいアイデアなんて狙って出せるものではないと思い込んでいる雄介に、大西会長は「デザイン思考を実践すること」を提案します。
10年前、アメリカで話題になりつつあった「デザイン思考」を、いち早く取り入れたことで業界最大手に会社を成長できた大西会長。
果たして雄介は、デザイン思考を使って丸の口店を黒字化できるのでしょうか?
「まんがでわかるデザイン思考」の必読ポイント
どうすれば、人の心を満たす新たなモノやサービスを創り出せるのか
新たにモノやサービスを創り出そうと思ったら、一体どうすればいいのでしょうか?
その答えは、
相手にポジティブな気持ちになってもらうためには、どのような欲求を満たすべきなのか
という問いを考えてみることからスタートすることです。
その問いの結論によって、どのような手段を取ればいいのか変わってきます。
たとえば、飲食店にとって「料理のおいしさ」は重要な手段です。
でも、料理がおいしいだけでは売れません。
「料理が美味しいのが嬉しい」から売れるんです。
- 嬉しい
- 楽しい
- 安らぐ
- 気持ちいい
など、世の中にあるモノ・サービスは全て、対象となる「人間の心」をポジティブにするために存在しています。
だから大切なのは、「人の心を満たすこと」。
「美味しい」というのは、その手段の1つに過ぎません。
人の心を満たす方法は、数限りなくあります。
そんな人の心を満たす方法を見つけるためには、データ分析ではなく「観察」する必要があります。
切り取られた数字を見るよりも、観察すれば「人の心」が見えてきます。
たとえば15年前に、レンタルDVDサービスについてアンケートを取ったら、どのような答えが返ってきたでしょうか?
なるべく家の近くに、夜遅くまで営業している店舗があったらいいな
なんて答える人が多かったに違いません。
しかし現在では、Netflixのような動画配信サービスによって、自宅にいながら見たい映画を観られる環境が整っています。
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つまり15年前の人々は「すぐに映画が観たい」という真の欲求を、自分の常識によって「家の近くで深夜営業している店舗」に置き換えてしまったのです。
デザイン思考では、相手の持つ潜在的ニーズを見つける手法として「観察」を重視します。
観察は最もバイアスが少なく、直接的に潜在的ニーズにアクセスできる方法。
観察では、人間の行動をありのままに捉えます。
人間の行動はそのまま「その人間のしたいこと」、つまり本質的欲求の現れなんです。
潜在的ニーズとは?
本人ですら気づいていないニーズに、どうやって気づくことができるのでしょうか?
人は無意識に「楽な方」「快適な方」に向かおうとする生き物です。
たとえ本人が、それを「欲求」と認識できていなくても、欲求がそこにあれば必ず行動に現れます。
それを見逃さずに察知するのが、デザイン思考。
では、具体的にどうすれば欲求を見逃さずに察知できるのでしょうか?
その答えは、
自分の思い込みを捨て、その光景を初めて見るかのような気持ちで謙虚に見る
ことです。
「観察」を成功させるための極意
私たちの身の回りでは、毎日のように新たなモノ・サービスが市場に投入されています。
しかし残念ながら、それらの多くは「潜在的ニーズ」を十分に捉えていません。
潜在的ニーズを見つけ出すことは、非常に難易度が高い作業なんです。
ではどうすれば、潜在的ニーズにたどり着くことができるのでしょうか?
デザイン思考では、
自分の常識を取り除いて、目の前の光景を初めて見るかのように見る
ことを意識します。
そして自分の常識で判断するのではなく、
- 他者の目を通じて世界を観察し
- 他者の経験を通じて世界を理解し
- 他者の感情を通じて世界を感じ取る
ことを目指します。
観察対象の人々と根本的なレベルでつながり合うことができた状態を、デザイン思考では「共感」と呼びます。
このように、観察対象に共感することが、潜在的ニーズの発見につながるのです。
さいごに
デザイン思考は、
- 着想
- 発案
- 実現
の3つのプロセスで構成されています。
「着想」とは、課題を解決するための問題や機会、潜在的ニーズを発見するプロセス。
「発案」とは、アイデアを具体的に発案し、実現性を検証するプロセス。
そして「実現」は、アイデアをプロトタイピング(試作)し、市場へと導くプロセスです。
このようなプロセスを経る必要があるデザイン思考ですが、重要なのは技術ではなく、人間に着目し、潜在的なニーズを見つけ出すことです。
本書では一貫して、対象者の潜在的ニーズを見つけ出すための方法が「観察」にあると解説されています。
あなたの仕事に課題がある限り、そこには「良いアイデア」が求められます。
デザイン思考を身につければ、きっとそこには今までとは異なる驚きと発見に満ちた世界が広がってきますよ。
それじゃ、またね。
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