こんにちは、いちもくです。
小説家を志す人にとって、場面設定の作り込みは避けて通れない大切な作業だと思いませんか?
登場人物たちが生き生きと活躍する場面を描くためには、まるで自分もその場所にいるようなリアル感を言葉で表現する必要があります。
そんな場面設定を描くために必要なのは、表現力や想像力。
静寂の中をひたすら目的地に向かって進む宇宙船内や、活気のない小さな街ですれ違う外国人の表情など、自分が経験したことのない場面でもリアルに描ければ、読者を物語にグイグイ引き込むことができます。
そんな場面設定の作り込みに大きな手助けとなるのが、「場面設定類語辞典」。
「郊外編」「都市編」など、場面設定に特化して類語がまとめられています。
小説家を目指す人だけでなく、SNS運用やブログを始めたい人にとっても役立つ情報満載の本ですよ。
場面設定類語辞典 概要
サイズ | 単行本(ソフトカバー) |
発行日 | 2017年4月25日 |
出版社 | フィルムアート社 |
『場面設定類語辞典』の魅力
225のシチュエーションや描写が紹介されている
「場面設定類語辞典」は、物語の舞台や世界観をつくりあげるための「場面設定」のノウハウを解説した本です。
「見えるもの」
「聴こえるもの」
「味」
「匂い」
「質感」
などの要素別に、物語が展開する状況や出来事を例文を使って解説しています。
紹介されているシチュエーション数は、なんと225。
シチュエーションによっては、普段めったに経験できないであろうシーンもたくさんあります。
たとえば、日常のシチュエーションでは
- 学校
- 子供部屋
- 映画館
といった場面が紹介されています。
非日常のシチュエーションとしては、
- 核シェルター
- 居住禁止のアパート
- 潜水艦
- トレーラーハウス
- 屠殺場
なんて場面が掲載されています。
経験したことのないシチュエーションでも、『場面設定類語辞典』を参考にすれば、リアリティを感じさせる文章が書けるんです。
各シチュエーションが、項目別にまとめられている
225のシチュエーションは、項目別に詳しくまとめられています。
「見えるもの」
「聴こえるもの」
「匂い」
「味」
といった、各項目別に解説されています。
例えば、「公園」というシチュエーションを例にとると
見えるもの
曲がりくねった散歩道
散歩道や芝生を絨毯のように覆う落ち葉
リードにつながれた犬
聴こえるもの
ジョギング中の人が一定のリズムで走る足音
ボールがミットに「バシッ」入る
飛行機が上空を飛ぶ音
匂い
刈ったばかりの芝生
雨
日焼け止め
味
ピクニックの食べ物
コーヒー
ソーダ
質感とそこから受ける感覚
温かいブランケットやタオルの上に座る
肌にチクチクあたる芝生
顔に当たる太陽の暖かさ
物語が展開する状況や出来事
進路を外れた野球のボールやフリスビーが直撃する
夜間に強奪に遭う
カップルの喧嘩
掲載されたフレーズをもとにイメージを膨らませることで、リアルな場面を描くヒントがえられます。
場面設定の大切さが詳しく解説されている
『場面設定類語辞典』は、225のシチュエーションを解説しただけの本ではありません。
まえがきでは、場面設定がいかに大切なものかについて詳しく解説されています。
優れた物語を生み出すレシピには、読者を引きつける登場人物、一か八かという状況、読者と登場人物の感情的な絆、関心をそそる対立というような、カギとなる原料が数多く含まれる。
しかし、本来ならすばらしい出来になるはずだったたくさんの本が、しばしば見落とされてしまったことで犠牲になってきたもうひとつの大事な要素が、「設定」である。
お気に入りの一冊の設定に心を奪われる体験がどんなものかは、世界中の読者が知っている。
その場面が実在のものであれ架空のものであれ、読者はあたかも自分が「そこにいる」かのように感じたり、あるいは「そこに行きたい」と切望したりするはずだ。
読者の望みは、本の世界に没頭すること。
現実に戻ったとき思わず動揺してしまうほど、物語にすっかり夢中になるということだ。
読者のためにそれを実現させるのが作家の仕事であり、そのためのもっとも効果的な手法のひとつが、設定をダイナミックに、壮大なものにすることで面白くしていくということである。
幸いにも、これはあなたが考えるほど大変な作業ではない。
面白い小説や脚本では、設定がいかに大事かということが実感できます。
『場面設定類語辞典』の気になる点
日本を舞台にした場面設定には、そのままでは使えない
『場面設定類語辞典』の著者は、カナダの作家アンジェラ・アッカーマン。
英語で書かれた内容を、日本語に翻訳した本です。
だから225のシチュエーションは、主に北米が舞台。
日本には馴染みの薄いシチュエーションも多いので、日本を舞台にした物語を創作する際には、そのまま使えないものもたくさんあります。
紹介されているシチュエーションは、現代を舞台にしている
『場面設定類語辞典』に掲載されているシチュエーションは、ほぼすべて現代を舞台にしています。
だから歴史物やファンタジー物を創作する際は、そのまま使えない場合がほとんどでしょう。
さいごに
登場人物たちが生き生きと活躍する場面を描くためには、まるで自分もその場所にいるようなリアル感を言葉で表現する必要があります。
そんな場面設定を描くために必要なのは、表現力や想像力。
静寂の中をひたすら目的地に向かって進む宇宙船内や、活気のない小さな街ですれ違う外国人の表情など、自分が経験したことのない場面でもリアルに描ければ、読者は物語にグイグイと引き込まれていきます。
そんな場面設定の作り込みに大きな手助けとなるのが、「場面設定類語辞典」。
「郊外編」「都市編」など、場面設定に特化して類語がまとめられています。
小説家を目指す人だけでなく、SNS運用やブログを始めたい人にとっても役立つ情報満載の本ですよ。
それじゃ、またね。
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