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【書評】しあわせゴハン セリフがないのに、胸が締め付けられるほど感動できるグルメ漫画

しあわせゴハン
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こんにちは、いちもくです。

グルメ漫画の魅力と言えば、なんといっても美味しそうな料理。

美味しそうな料理を食べる人の表情や、食に関する豊富な知識を得られるのも魅力的です。

そんなグルメ漫画ですが、泣けるほど感動できる作品を読んだことはありますか?

魚乃目三太先生の「しあわせゴハン」は、胸が締め付けられるほど泣きたくなったり、やさしい気持ちになれる作品。

セリフが一切ないのに、登場人物の気持ちが痛いほど伝わってきます。

必死に生きている人ほど、おいしいゴハンが食べられることに感謝できるのかもしれません。

今回は、そんな「しあわせゴハン」の魅力について詳しく解説していきます。

 

『しあわせゴハン』の魅力

セリフが一切ないのに、登場人物の気持ちが痛いほど伝わってくる


『しあわせゴハン』は、食にまつわる1話読み切りのエピソードが収録されたコミック。

1話あたりのページ数は、平均して約10ページと短めです。

全てのエピソードには、セリフが一切ありません。

コミックのカバーには、こんな一文が書かれています。

「しあわせゴハン」のおいしいお召し上がり方

本作品には台詞、擬音などの添加物は含まれておりません。

お客様それぞれがご自由に、登場人物たちの台詞や想いをご想像いただけます。

賞味期限はありません。

どうかじっくり味わって、何度でも、ご賞味くださいませ。

セリフが無くても、美味しそうな料理の魅力と、登場人物の想いは痛いほど伝わってきます。

セリフがないからこそ、まだ字の読めない子供や外国人でも楽しめるのが魅力。

ほかにも、何気なく描かれている背景の中に、ストーリーの重要なヒントが隠れていたりします。

登場人物の表情だけで、考えていることや会話の内容を想像するのが楽しい漫画です。

 

心温まるストーリーが中心


『しあわせゴハン』は、全4巻。

4巻の中に、68のストーリーが収録されています。

どのストーリーを読んでも感じるのが、料理が主役ではないということ。

天才的な料理人が、豪華で美味しい料理をつくるわけではありません。

美味しさや美しさを競う料理勝負が繰り広げられるわけでもなく、家庭的で庶民的な料理しか登場しません。

「しあわせゴハン」で共通テーマとなっているのは、人間同士の心の触れ合い。

どのストーリーも、人間臭く泥臭いものばかりです。

いろんな悩みや事情を抱えた登場人物たちは、ゴハンを通じて他人と心を通わせあっていきます。

読むと思わずホッコリする、人情味あふれるストーリーの数々。

読んだ後、思わず実家の手料理を食べたくなる人は多いのではないでしょうか。

 

食事に感謝できるようになる

『しあわせゴハン』以外にも、魚乃目三太先生の作品には「食」をテーマにしたものがたくさんあります。

 

 

全ての作品に共通しているのは、食べ物への感謝。

食べ物を粗末にするような描写は一切ありません。

当然、誰かが一生懸命つくった料理を批評するような人も出てきません。

すべての作品で、食べることの喜びと感動が溢れんばかりに表現されています。

1冊読み終わる頃には、食に対する感謝の気持ちが自然と湧き上がってくるのではないでしょうか。

 

【ネタバレ有り】思わず涙腺崩壊してしまう感動作品


『しあわせゴハン』には、全部で68ストーリーが収録されています。

それぞれのストーリーの登場人物は、年齢も性別もバラバラ。

なのになぜか、読むと懐かしい気持ちにさせてくれるノスタルジックな作品ばかりなんです。

そんな作品の中でも、僕が一番好きなのが、2巻に収録されている「二十二品目 ウエディングケーキ」。

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ストーリーの補足として、短い解説が掲載されています。

結婚式の打合せの際、

「父はケーキ職人だったんです」

という言葉を聞いたウエディングプランナーが、閉店の事情を知らずに、両親に電話でサプライズの手作りケーキを提案してしまいました。

このケーキが、きっと父の人生で最高のケーキだったに違いありません。

 

さいごに

魚乃目三太先生の「しあわせゴハン」は、胸が締め付けられるほど泣きたくなったり、やさしい気持ちになれる作品。

セリフが一切ないのに、登場人物の気持ちが痛いほど伝わってきます。

必死に生きているからこそ、おいしいゴハンが食べられることに感謝できるのかもしれません。

ゴハンを食べるとき、そこにはいつも「しあわせ」があるのかもしれませんね。

そんな何気ない「しあわせ」に気付かせてくれる、素敵なストーリーが満載の作品です。

それじゃ、またね。

 

 

 

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