こんにちは、いちもくです。
「トヨタ生産方式」と言われて、ピンと来る人は果たしてどれだけいるでしょうか?
製造現場で働いている人は、5Sという言葉を知らない人はいないはず。
でも、ものづくりに携わっていない人にとって「トヨタ生産方式」は縁遠い存在なのかもしれません。
トヨタ生産方式(TPS)とは、ムダを徹底的に排除する生産方式のこと。
ジャストインタイムと自働化の考え方をもとに、無駄を排除して利益を最大化するためのノウハウが詰まった生産方式です。
そんなトヨタ生産方式をマンガでわかりやすく学べるのが、「マンガでわかる トヨタ流の生産方式とマネジメント」。
本書を読めば、製造現場はもちろん、営業や経理などさまざまな部門でトヨタ生産方式を取り入れるヒントが得られます。
今回は、「マンガでわかる トヨタ流の生産方式とマネジメント」の魅力と重要エッセンスを紹介していきます。
マンガでビジネス書を読むメリット
読書の習慣がない人にとって、難解なビジネス書を1冊読むのはけっこう大変なこと。
読むだけでも大変ですが、本の要点を理解して実践しようと思ったら、かなりハードルが高いのではないでしょうか。
読書が苦手な人にこそおすすめしたいのが、ビジネスコミックの活用です。
ビジネスコミックとは、難解なビジネス書をマンガでわかりやすく解説した本。
短い時間でサクサク読めるので、原著を読まなくてもポイントをつかむことができます。
原著を読む前にビジネスコミックでポイントを押さえておけば、原著を読んだときに内容を理解しやすくなります。
マンガでわかる トヨタ流の生産方式とマネジメントのストーリー
主人公は、玩具メーカー「トイズ・ファクトリー」の商品企画部に所属する、神原美琴(かんばら みこと)。
夢を売る仕事をしたいと思い入社しましたが、毎日残業ばかりで仕事にやりがいを見出せないでいました。
そんなある日、経営陣が刷新されるというニュースが社内報で発表されます。
これからどうなるのかという不安を抱えながらも、目の前の仕事をやることしかできないでいる美琴。
新経営陣からの最初の指令は、「データだけでなく現場を知れ」というものでした。
仕方なく美琴は、秩父にある工場の生産部のフォローに行くことにします。
工場を訪問した美琴が驚いたのは、職員の無駄のない動きと、全員が一丸となって楽しそうに働いている姿。
会社の業績は悪くても、現場の生産性は上がっていたんです。
そんな生産現場をつくるために参考にされていたのが、トヨタ生産方式。
私たちもこんなふうに生き生きと働きたい!
そう考えた美琴は、トヨタ生産方式を自分たちの仕事に取り入れることを決心し、仕事の「カイゼン」に取り組み始めます。
マンガでわかる トヨタ流の生産方式とマネジメントの魅力
トヨタ生産方式の基本が分かる
マンガでわかる トヨタ流の生産方式とマネジメントでは、
- トヨタ生産方式
- トヨタ流マネジメント
の2つがマンガで解説されています。
トヨタ生産方式には、
- ジャスト・イン・タイム
- ニンベンのついた自働化
という代表的な2つの考え方があります。
ジャスト・イン・タイムとは、必要なものを、必要なときに、必要な分だけ生産するということ。
顧客のニーズは、常に変化するものです。
ジャスト・イン・タイムを正しく実践することで、ムダ・ムラ・ムリをなくすことができ、生産効率が飛躍的にアップします。
そしてもう1つ、ニンベンのついた自働化とは、不具合が生じた際はすぐに機械が停止し、人間がすぐに異変に気づけるようにした仕組みのこと。
この「自働化」によって、少人数でも効率よく機械を管理することができます。
トヨタ生産方式を学ぶ上では、まずはこの
- ジャスト・イン・タイム
- ニンベンのついた自働化
の2つを理解しておくことは必須。
マンガでわかる トヨタ流の生産方式とマネジメントでは、この2つの考え方がストーリーの中でわかりやすく解説されています。
トヨタ生産方式を取り入れる前に、必要なことが分かる
トヨタ生産方式を導入する前に、必ずやっておきたいことがあります。
それは、まずは社内の状況をしっかり把握して、現状を「視える化」すること。
これがトヨタ生産方式の導入を成功させる大切なポイントです。
僕は営業マネジメントの仕事をしていますが、約50人のチームにトヨタ生産方式を導入することに成功しました。
導入するにあたって最初に取り組んだのが、5Sを徹底させること。
5Sとは、
- 整理
- 整頓
- 清掃
- 清潔
- 躾
の5つです。
これは、単に社内をキレイに保つことが目的ではありません。
過去の成功体験や苦い経験を捨て、新たな考え方や行動を習慣化するために必要なことなんです。
5Sの活動を続ければ、普段見過ごしたり放置していたりした、小さな欠陥や慢性的な不具合に気づくことができます。
問題に気づいたら、人は自然と「カイゼン」したくなるもの。
たとえば僕のチームでは、今まではセロテープを数人で共有して使っていました。
「どうもセロテープ台の数が多い気がするな」
と思って数えてみたら、50人のフロアにセロテープ台が34個もあったんです。
2人に1個以上のセロテープがあることになりますが、こんなに必要なはずがありません。
必要なときに、必要な人が使えばいいだけ。
だからセロテープ台の位置を決めて、使ったら必ず元の位置に戻すようルールを決めました。
1ヶ月後、セロテープ台はたったの6個に減らすことができたんです。
トヨタ生産方式を導入するためには、目的意識を明確にすることが大切。
いきなり導入するのではなく、まずは社内の状況をしっかり把握して、現状を「視える化」することが必要です。
「後工程の満足度」という大切な考え方
トヨタ生産方式は、製造現場だけでなく営業現場でもそのまま使えます。
仕事を単位ごとに区切り、状況を整理・整頓することで、仕事が「視える化」できます。
それぞれの業務の状況を
- 目的
- 後工程
- 優先するか・継続するか・やめるか
- 後工程の満足度は
といった観点から見直すと、新たな発見に気づけます。
特に大切なのが、「後工程の満足度」。
これは、後工程の担当者に、自分の業務の出来具合を評価してもらう項目です。
たとえば、営業が受注してきた案件を、業務担当者が受注システムに入力して必要な原料や材料を発注するという工程があったとします。
この場合、営業の後工程を担当するのは業務担当者。
業務担当者の後工程を担当するのは、仕入れ担当者や仕入れ先業者になります。
「後工程の満足度」を、自分の業務の後工程を担当する人に評価してもらえば、その業務の担当者だけでは見えづらかった「カイゼン課題」が明確になります。
トヨタ流の考え方では、自分の仕事の後工程を担当する人も、大事なお客さま。
チームメンバーや上司から仕事を依頼された場合は、
- 後工程(客)は誰か
- 顧客要求を実現するための課題は何か
- 実現に向けた社内資源はどんなものがあるのか
- 相手に伝わりやすい設計書や企画書、提案書などを作成
- 納期はいつか
の5つが明確になっていることを、最初に確認する必要があります。
さいごに
「トヨタ生産方式」と言われて、ピンと来る人は果たしてどれだけいるでしょうか?
製造現場で働いている人は、5Sという言葉を知らない人はいないはず。
でも、ものづくりに携わっていない人にとって「トヨタ生産方式」は縁遠い存在なのかもしれません。
トヨタ生産方式(TPS)とは、ムダを徹底的に排除する生産方式のこと。
ジャストインタイムと自働化の考え方をもとに、無駄を排除して利益を最大化するためのノウハウが詰まった生産方式です。
そんなトヨタ生産方式をマンガでわかりやすく学べるのが、「マンガでわかる トヨタ流の生産方式とマネジメント」。
本書を読めば、製造現場はもちろん、営業や経理などさまざまな部門でトヨタ生産方式を取り入れるヒントが得られますよ。
それじゃ、またね。
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