こんにちは、いちもくです。
仕事をやめたいと思ったことは、誰しも一度くらいはあるのではないでしょうか?
- 理不尽なことばかり言ってくる上司が苦手
- 職場の雰囲気が悪すぎる
- どんなに頑張っても給料が上がらない
環境を変えれば、今よりもっと働きやすい場所が見つかる可能性はありますよね。
そんな人にぜひ読んでもらいたい本が、ちょっと今から仕事やめてくる。
強烈なタイトルですが、仕事をしている人すべてが思わず共感してしまうストーリーになっています。
今回は、「ちょっと今から仕事やめてくる」を読んだ感想を本音でレビューしてみます。
本『ちょっと今から仕事やめてくる』
著者 | 北川恵海 |
出版社 | KADOKAWA メディアワークス文庫 |
発売日 | 2015年2月25日 |
あらすじ
主人公の隆は、就職活動で採用された中堅企業の印刷会社に入社します。
でもその会社は、パワハラと長時間の違法労働が横行する、いわゆる「ブラック企業」。
過酷な労働環境の中、徐々に心身が疲弊していく隆は、ある日無意識に電車のホームから飛び込もうとしてしまうんです。
そんな隆は、間一髪のタイミングで小学校の同級生だったという「ヤマモト」と名乗る若者に助けられます。
駅で出会ったのがきっかけで、その後も何かと気にかけてくれる「ヤマモト」。
でも、隆はどうしても「ヤマモト」のことが思い出せません。
ふとしたきっかけで、実は同級生だった本物の「ヤマモト」はニューヨークで働いていており、目の前の「ヤマモト」は赤の他人であることを知った隆。
目の前にいる「ヤマモト」とは、一体誰なのか。
ちょうどその頃、隆は社内で孤立してしまい、心身の疲弊はピークに達します。
あわや自殺寸前のところまで追い込まれますが、そこへ現れたのはまたしてもヤマモト。
そこから物語は、一気に感動のクライマックスへ向かいます。
ブラック企業の恐ろしさ
物語は、隆の1年先輩であるアメフト部主将の橘先輩の様子から始まります。
橘先輩は、新卒で就職してわずか3か月で「サザエさん症候群」にかかってダウンしてしまいます。
大学ではバリバリの体育会系で活躍した先輩が、たった数か月で心身を疲弊してしまう様子を見た隆は、
「社会に出てから一番重要なのは、体力でも、我慢強さでもない。頭の良さだ」
と、ポロリと発言するシーンがあります。
隆は、大学では社交的なキャラ。
でも、就職したブラック企業での長時間残業やパワハラで、心身共に疲弊してしまい、就職後わずか6か月で飛び込み自殺を考えるまで追い込まれてしまうんです。
ストレスをうまくコントロールできないと、精神的に追い込まれてしまうことが多いもの。
こればかりは、経験したことがないとその辛さはわからないでしょう。
隆は橘先輩の姿を見て、「自分はあんなに疲弊するわけがない」「社会でもうまくやっていける」という自信を持っていたはずです。
でも実際にブラック企業の大変さを体感し、その危険性に気が付いたときは、もう心身ともにボロボロの状態になっていたのかもしれません。
大切な人のことを考える余裕はあるか
長時間残業やパワハラで疲弊した隆は、電車のホームから飛び込もうとする程追い込まれてしまいます。
そんな状況で、大切な家族や友人のことを考えられる余裕はほとんどないでしょう。
小説に登場する「ヤマモト」は、隆にこうした言葉を投げかけるシーンがあります。
「なあ、隆。お前は今、自分の気持ちばっかり考えてるけどさ。一回でも、残された者の気持ち考えたことあるか?なんで助けてあげられなかったって、一生後悔しながら生きていく人間の気持ち、考えたことあるか?」
自殺したいくらいに心身ともに追い込まれたら、一体どうすればいいのでしょうか?
まずは一旦会社を休んでみたり、思い切って仕事を辞めるのもいいかもしれませんね。
残された家族は、一生後悔し続けることになりますから。
逃げちゃ駄目? いやいや、逃げるが勝ち
極度のストレスにさらされ続けると、うつ状態になってしまいます。
一度うつになると、回復するまで時間がかかる場合がほとんど。
たとえ復帰できても、依然と同じように仕事をこなすまでには時間がかかるはずです。
「焦らずのんびりやろうぜ」
なんて声をかけても、本人にとってはなんの励ましにもならない可能性が高いでしょう。
心身が疲弊し、自殺を考えるまで追い込まれる前に、「仕事を休む」「仕事を辞める」といった選択肢を選ぶのもおすすめ。
今の仕事を辞めたからって、すぐにのたれ死ぬことはありませんからね。
仕事は大切かもしれませんが、それ以上に心と体を健康に保つことの方が大切です。
真面目な人ほど読んでほしい物語」
「そんなこと言っても、簡単に仕事を辞められるわけないだろう」
なんて人は、是非この本を読んでみてください。
本書ののタイトルのように「ちょっと今から仕事やめてくる」という、軽いノリで仕事に対して向き合うことができれば、最悪の選択を選んでしまう人は少なくなるはずです。
さいごに
「仕事が辛くて、死んだほうがよっぽどマシ!」
なんて悩んでいる人は、『ちょっと今から仕事やめてくる』を是非一度読んでみてください。
読み終わると、大抵の人は気づくはずです。
一番大切なのは、自分自身の健康だということを。
そして、自分を支えてくれる家族や友人は、仕事より何倍も大切だということを。
死んだら、それで何もかもおしまい。
他人のための仕事なんかで、死ぬ必要は微塵もありません。
絶対に、生きてください。
それじゃ、またね。