やあ、いちもくだよ。
僕は仕事で鹿児島県を訪れる機会が多いんだ。
鹿児島には桜島や霧島などのたくさんの観光名所があるけれど、僕が大好きな場所は仙巌園(せんがんえん)。
これまでに10回くらい訪れたんだけど、錦江湾の景色を楽しむのにも鹿児島の歴史を肌で感じるのにも最高の場所だったよ。
2018年2月に施設がリニューアルされてからは、食事やショッピングもそれまで以上に楽しめるようになったんだ。
そんな仙巌園の魅力と、絶対に訪れてほしい9つのみどころを紹介するね。
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仙巌園とは?
仙巌園は、薩摩藩の19代当主だった島津光久が、1658年に造園した庭園のことなんだ。
島津家の別邸としてつくられ、その後も歴代当主が改築を重ねてきた場所だよ。
敷地面積は約50,000㎡と広大で、東京ドームとほぼ同じ広さなんだ。
そんな広大な敷地を持つ庭園なんだけど、日本庭園でよく見られる池や築山(人工につくられた山)が無いんだ。
これは、仙巌園の目の前に広がる錦江湾を池と見立て、桜島を築山としてつくられているからだよ。
この手法は「借景式庭園」と呼ばれていて、ほかにもいくつかの日本庭園で取り入れられている技法なんだ。
自然の風景と人工の庭が調和した、ダイナミックな日本庭園だね。
そんな雄大な仙巌園は、幕末から近代にかけては薩摩藩や鹿児島県の迎賓館のような存在だったと言われているんだ。
アクセス方法
仙巌園を訪れようと思ったら、バスか車を利用するのがおすすめ。
バスの場合は、「仙巌園前」で下車すればすぐだよ。
ただし本数が少ないから、車を利用する方が便利だろうね。
仙巌園の目の前には、国道10号線が走っているんだけど、時間によっては混むから注意が必要だよ。
敷地内には駐車場が用意されていて、普通車の場合は1日300円で利用できるんだ。
仙巌園で是非訪れたい、みどころをチェック
仙巌園は敷地面積が50,000㎡と広大だから、ゆっくり時間をかけて見ようと思ったら半日くらいかかってしまうんだ。
時間が無い場合は、ポイントを押さえてまわるのがおすすめだよ。
まずは入り口で入場料を支払って中に入ろう。
入場料は
- 大人1000円
- 小中学生500円
- 大人1300円
- 小中学生650円
となっているよ。
チケットを購入したら、ゲートを通過して敷地内に入ろう。
仙巌園や集成館について解説されている碑が立っているよ。
反射炉跡
仙巌園に入ってすぐに見えてくるのが、反射炉跡。
大砲を製造するために必要な、鉄を溶かすための炉の跡なんだ。
幕末の名君・島津斉彬が、オランダの書物を参考に造ったとされているよ。
書物だけを頼りに、見たことも聞いたことも無い反射炉を建設するなんて、簡単にできることではないよね。
当時の欧米列強のアジア進出が、どれだけ日本にとって危機感を抱くものだったかということが、この反射炉跡から伝わってくる気がするんだ。
炉の基礎石部分に使われているのは、凝灰石。
火山灰などが団結してできた石だよ。
相撲じゃ!相撲じゃ!
2018年のNHK大河ドラマ「西郷どん」の第5回「相撲じゃ!相撲じゃ!」のロケ場所となったのが、この仙巌園。
ドラマでは、薩摩藩主の代替わりの祝いとして「御前相撲」が開催された様子が描かれていたよ。
鹿児島では最近まで、地域の催しとして十五夜などの節目に、「子ども相撲」や綱引きをすることが多かったんだ。
この仙巌園でも、島津家30代忠重の着袴祝の際に、女中たちが相撲をとって楽しんだという記録が残っているよ。
鹿児島の人たちにとって、それほど相撲は身近に愛されてきたものだったんだね。
土俵の後ろには、斉彬公と篤姫の菊人形が飾られているよ。
正門
仙巌園の正門は、明治28年(1895年)に29台忠義が鹿児島の大工に命じて建てさせたものだよ。
NHKの大河ドラマ「篤姫」にも登場した門だね。
門の上部には、島津家の家紋と桐紋が彫られているんだ。
錫門
錫門は、江戸時代は正門として使われていた門。
当時は、藩主とお世継ぎだけが通ることを許されたもんだったんだ。
門の屋根に使われているのは、鹿児島で採れた錫。
明治時代には、この美しい朱塗りの門を管理するために、漢方医たちが毎日手入れしていたと伝えられているよ。
この門も、大河ドラマ「西郷どん」で度々登場しているんだ。
御殿
仙巌園に来たら絶対に訪れてほしいのが、御殿。
御殿は、29代忠義の代には、本邸として利用されていたんだ。
ほかにも、国内外の要人が鹿児島を訪れた際の迎賓館としても使われていたよ。
幕末には勝海舟が訪れたり、明治になってからはロシア皇帝のニコライ2世やイギリス国王のエドワード8世が皇太子時代に訪れているんだ。
そんな御殿は、以前はガイドツアーが無ければ入ることができなかったり、一般公開されていない部屋もあったんだよね。
でも、今は入場料を払えば誰でも自由に見学できるようになっているよ。
靴を脱いで御殿の廊下を進むと
最初に見えてくるのが中庭。
庭の中央には池があるけれど、中には八角形のくぼみが見えるね。
中国の風水文化の影響を受けた造りになっているようだね。
更に進むと見えてくるのが、謁見の間。
外国からの要人のもてなしにも使われていたと言われている、御殿の中で最も格式の高い部屋だよ。
奥に見える「松樹」の掛軸は、27代斉興の直筆と言われているんだ。
二間続きになっているから、一度にたくさんの人を招くことも可能だったんだろうね。
御殿を見学すれば、代々の島津家当主の豪華な暮らしぶりを垣間見ることができるんだ。
鶴灯篭
御殿近くの庭ににあるのが、鶴灯篭。
鶴が羽を伸ばした姿に見えることから、鶴灯籠と呼ばれているんだ。
島津斉彬が、蘭学者などにつくられたと伝えられているガス灯だよ。
なんと斉彬公は、城下町をガス灯で灯す計画を考えていたそうなんだ。
水力発電用ダム跡
29代忠義が造らせたのが、この水力発電用のダム。
ここでつくられた電気は、御殿の中や庭のアーク灯、電話などで使われていたよ。
明治時代に、仙巌園の敷地内で水力発電を実用化させていたとは、なんとも驚きだね。
絶好の桜島ビューポイント
御殿の裏側には、広大な山道が続いているんだ。
片道30分程のトレッキングコースになっているから、歩きやすい服装でチャレンジするのがおすすめだよ。
トレッキングコースを登らなくても、御殿近くには景色の良い芝生広場があるんだ。
ここは絶景の桜島ビューポイント。
芝生広場はゆるやかに傾斜しているから、のんびり寝そべって景色を満喫するのにもピッタリだよ。
示現流・自顕流展示室
薩摩の剣術と言えば、示現流。
仙巌園の敷地内には、示現流・自顕流展示室が用意されているんだ。
薩摩の古流剣術について、資料や映像で学べるだけでなく、打ち込み体験もできるようになっているよ。
展示室の外には、実際の稽古に使う木刀と、打ち込み用の木が置かれているんだ。
そして展示室内にあるのは、示現流立木打ちで削られた立木。
幕末の京都で、新選組も恐れたという薩摩示現流・薬丸自顕流の凄さを肌で感じることができるんだ。
さいごに
仙巌園の魅力は、美しい御殿や庭園だけじゃないんだ。
日本の近代化・工業化の原点とも言える反射炉の建造や、幕末の志士たちから恐れられた古流剣術・示現流と自顕流など、歴史の転換点を肌で感じることができる場所なんだ。
東京ドームとほぼ同じ広さの広大な敷地があるから、じっくり見ようと思ったら半日は欲しいところ。
何度も訪れたら、その度に新たな発見があるおすすめの歴史観光スポットだよ。
じゃ、またね。
住所 | 鹿児島県鹿児島市吉野町9700-1 |
電話 | 099-247-1551 |
営業時間 | 8:30~17:30 |
定休日 | 年中無休 |