やあ、いちもくだよ。
僕は料理が好きで、週末に家族や友人にいろんな料理を振る舞うのが楽しみなんだ。
いろんな国の料理をつくることもあるけれど、つくっていて一番面白いのは日本料理。
盛り付けや味付けなど、とっても奥が深いんだよね。
特に面白いのは、塩の使い方。
簡単なようでいて、すごく難しいんだよね。
そんな塩について、興味があったから色々と調べてみたんだ。
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日本料理と塩
料理をする上で、いろんな調味料を使うけれど、一番大切なのは塩だと思うんだ。
食材の持ち味を最大限に引き出したり、旨味を引き出すのには、塩は欠かすことができないんだよね。
それに、塩は隠し味として使うことも多いんだ。
ほかにも、野菜の水分を抜いたり、保存のために使用することもあるんだよね。
日本料理では、魚の尾ひれに化粧塩をすることで、姿焼きを美しく仕上げることができるんだ。
塩が無いと、味も見た目もいい料理はつくれないんじゃないかな。
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神道と塩
日本では昔から、塩には邪気や穢れを取り除く力があると言われてきたんだ。
これは、日本の神道の思想にもとづいているよ。
周囲を海に囲まれた日本では、古代から海の向こうに神の常世の国があると信じられていたんだ。
海が近い地域に住んでいる人たちの間では、海水を使った禊(みそぎ)が古くからおこなわれていたらしいよ。
『古事記』などの神話でも、海水を使って邪気と穢れを取り除く逸話があるんだよね。
伊弉諾尊(いざなぎのみこと)が、妻である伊弉冉尊(いざなみのみこと)がいる黄泉の国へ行った後、自分の体についた死の国の穢れを落とすため、海水につかって禊を行うという話があるんだ。
ここでの禊ぎとは、黄泉の国からこの世に戻るための再生の儀式(黄泉がえり)だよ。
この儀式に海水が使われたことを起源として生まれたのが、「塩で清める」行為だと言われているんだ。
穢れ(けがれ)とは
神道でいう「穢れ」とは、「気枯れ」とも書くんだ。
気が枯れてしまった状態、つまり生命力が枯れかけている状態のことだよ。
生命力が枯れ続けると、いずれ「死」が訪れるんだ。
穢れを落とす、すなわち生命力を回復させるためには、昔の人々は海にその力があると考えたんだ。
海は、地球上のすべての生き物が還る場所だからね。
陸上に住む動物や植物が死ぬと、まずは土に還ることになるんだ。
雨が降ると、その土の中を水が通り抜け、海へと繋がるよね。
海が命の源だと言われる理由、そして海という字がサンズイ(水)が人の母と書く理由は、そんなところから来たんじゃないのかな。
そんな海の水から採れる「塩」は、地球上のすべての成分を含んだ、命の結晶なのかもしれないね。
清めと塩
相撲では、取組の前に力士が土俵に塩を撒くよね。
相撲は、日本古代の神事が起源の競技だと言われているんだ。
昔は、神に奉納する神聖な儀式だったんだね。
そんな神聖な儀式の前に、地中の邪気を祓っておくために、塩をまくようになったんだ。
少し前までは、お葬式に参列したら「お清めの塩」が渡されることがあったんだ。
最近は少なくなったけれど、これは仏教の教えに基づいているからなんだ。
仏教では、「死」は「成仏」、つまり仏に成るきっかけに過ぎないと考えられているんだよね。
つまり、「死」は穢れではないと考えられているんだ。
だから、塩で清める必要もないということらしいんだ。
盛り塩の意味
神棚には、米や水、お神酒と一緒に、盛り塩を供えるのが一般的なんだ。
塩を神聖なものとして考え、神棚に供えていることになるね。
飲食店の店先に置く盛り塩は、神棚に供える盛り塩と意味が異なるんだ。
中国の皇帝の愛妾が、牛車のウシが塩につられて自宅の前で止まってくれるよう、願いを込めて塩を置いたという故事が元になっているよ。
飲食店の店先にある盛り塩は、お客様がたくさん来てほしいという願いを込めて置かれたものなんだね。
さいごに
母なる海から採れる塩。
海に囲まれた日本では、昔から塩は神聖なものであり、邪気や穢れを取り除いてくれる、命の象徴だっのかもしれないね。
スーパーに行けば、食卓塩や自然塩など、たくさんの種類の塩が売られているよね。
いろんな塩があるけれど、カルシウムやマグネシウム、ミネラル分がたくさん含まれた塩ほど、料理に膨らみをもたらしてくれると思うよ。
目的に応じて、塩を使い分けてみるのも面白いかもしれないね。
じゃ、またね。
参考文献
浄土真宗ではなぜ「清めの塩」を出さないのか (青春新書インテリジェンス)