こんにちは、いちもくです。
推理小説を読んでみたいけれど、なんだか敷居が高い気がしてまだ1冊も読んでいないという人は多いのではないでしょうか?
そんな人ほど、面白いミステリー小説と出会ってしまうと、その魅力にハマってしまうかもしれませんよ。
今回は、毎月50冊以上の本を読み続けている僕が厳選した、初めてミステリー小説を読んでみたい人におすすめの王道作品を9冊ご紹介します。
折れた竜骨/米澤穂信
魔法が存在する、12世紀のヨーロッパが舞台。
ファンタジー要素満載のミステリー小説です。
魔法とミステリーという組み合わせに面食らう人もいるかもしれませんが、幽霊や超能力など、現実にはありえない能力をテーマにしたミステリーは意外と多いんです。
ロンドンから出帆し、波高き北海を三日も進んだあたりに浮かぶソロン諸島。
その領主を父に持つアミーナはある日、放浪の旅を続ける騎士ファルク・フィッツジョンと、その従士の少年ニコラに出会います。
ファルクはアミーナの父ローレントに、御身は恐るべき魔術の使い手である暗殺騎士に命を狙われている、と告げる。
怪しげな傭兵たちが顔を揃える中、殺人劇の幕が上がる・・・。
第64回日本推理作家協会賞受賞ほか、各種年末ミステリ・ランキングで上位を総なめにした、魔術と剣を題材にした本格推理小説です。
乱れからくり/泡坂妻夫
第31回日本推理作家協会賞を受賞した、本格推理の最高傑作。
馬割一族が経営する玩具会社の製作部長馬割朋浩は、旅行に出発する直前、隕石に当たり急死してしまいました。
その葬儀も終わらぬうち、今度は彼の愛児が睡眠薬を誤飲し、死亡。
この2つの事件をきっかけに、奇妙な方法による連続殺人が一家を襲いはじめます。
事件の裏にあった、江戸時代にまでさかのぼる馬割家の秘められた謎と、ねじ屋敷に作られた大迷路の秘密を追って、男まさりの美人探偵と新米助手の推理が冴え渡ります。
告白/湊 かなえ
大人気作家・湊かなえ先生のデビュー作にして、第6回本屋大賞受賞のベストセラー作品。
「愛美は死にました。しかし事故ではありません。このクラスの生徒に殺されたのです」
我が子を校内で亡くした中学校の女性教師によるホームルームでの告白から、物語は始まります。
語り手が「級友」「犯人」「犯人の家族」と次々と変わり、徐々に事件の全体像が浮き彫りにされていく。
物議を醸したほどの衝撃的なラストは必見。
犯人捜しを楽しむというよりも、正義とは何なのか、いったい正しくて誰が悪なのか、という倫理について考えさせられる作品です。
ジェリーフィッシュは凍らない/市川憂人
第26回鮎川哲也賞の受賞作。
特殊技術で開発され、航空機の歴史を変えた小型飛行船〈ジェリーフィッシュ〉。
その発明者のファイファー教授を中心とした技術開発メンバー6人は、新型ジェリーフィッシュの長距離航行性能の最終確認試験に臨んでいました。
ところが航行試験中、閉鎖状況の艇内でメンバーの一人が死体となって発見されます。
さらに自動航行システムが暴走してしまい、彼らは試験機ごと雪山に閉じ込められてしまう。
脱出する術もない中、次々と犠牲者が増え続けます。
小型飛行船で起こる、連続殺人の驚愕の真相とはいったいなんなのか。
密室殺人の複雑なトリックが秀逸で、読んでいてワクワクが止まらない作品です。
薔薇の名前/ウンベルト・エーコ
全世界で大ベストセラーとなった話題作。
迷宮構造をもつ文書館を備えた中世北イタリアの僧院で、「ヨハネの黙示録」に従った連続殺人事件が起きます。
事件の秘密は知の宝庫ともいうべき迷宮の図書館にあるらしいという噂。
バスカヴィルのウィリアム修道士が、事件の陰には一冊の書物の存在があることを探り出したまでは良かったが・・・。
全編通してスリリングな展開が魅力の小説です。
推理小説と言うよりも、哲学を題材にした小説と言えるような長編歴史ミステリーです。
フーコーの振り子/ウンベルト・エーコ
「追われている。殺されるかもしれない。そうだ、テンプル騎士団だ」
ミラノの出版社に持ち込まれた原稿が、三人の編集者たちを中世へ、錬金術の時代へと引き寄せていきます。
そんな中、ひとりが失踪。
行き着いた先はパリ、国立工芸院、「フーコーの振り子」のある博物館でした。
秘密の記号にこめられた世界制覇への野望とは?
前作「薔薇の名前」から8年、満を持して世界に問うエーコの大作です。
虚無への供物/中井英夫
『ドグラ・マグラ』、『黒死館殺人事件』と並ぶ、日本探偵小説三大奇書の1作品です。
昭和29年の洞爺丸沈没事故で両親を失った、蒼司(そうじ)・紅司(こうじ)兄弟、従弟の藍司(あいじ)。
そんな3人の元に、さらなる不幸が襲いかかります。
密室状態の風呂場で死んでいたのは、紅司。
そして叔父の橙二郎(とうじろう)もガスで絶命。
殺人、事故?
駆け出し歌手・奈々村久生(ななむらひさお)らの推理合戦が始まります。
当時の社会情勢や時事問題、宗教がリアルに描かれています。
スクランブル/若竹七海
80年代を舞台に、名門女子校で起きた殺人事件をめぐって、登場人物たちを鮮やかに描いた青春ミステリー小説。
推理小説として見ると、トリックそのものは単純に見えるかもしれません。
でも、登場人物たちの会話を読み進めるうちに、自分も17歳の高校生に戻ったような錯覚に陥ってしまう不思議な作品です。
女子高生特有の、友達関係や力関係がリアルに描かれています。
物語自体は短篇集になっており、謎は1話ずつ解明されていきます。
ほろにがくて切ない、学園ミステリの傑作ですね。
Xの悲劇/エラリー・クイーン
50年以上経っても色褪せない、王道中の王道ミステリー小説。
結婚披露を終えたばかりの株式仲買人が、満員電車の中で死亡します。
被害者のポケットからは、ニコチンの塗られた針が無数に刺さったコルク球が発見されました。
群衆ひしめく巨大なニューヨークで、第2・第3と続く大胆な殺人にも、目撃者はいない。
そんな難事件に挑むのは、聴力を失った元シェイクスピア俳優のドルリー・レーン。
論理的で緻密な謎解きは、読んでいてワクワクが止まりません。
エラリー・クイーンの四部作は、『Xの悲劇』『Yの悲劇』『Zの悲劇』『レーン最後の事件』と続きます。
さいごに
今回は、毎月50冊以上の本を読み続けている僕が厳選した、初めてミステリー小説を読んでみたい人におすすめの王道作品を9冊ご紹介しました。
面白いミステリー小説と出会ってしまうと、ついつい時間を忘れて深夜まで読み進めてしまいがち。
読めばあなたも、今日から睡眠不足になってしまうかもしれませんよ。
それじゃ、またね。
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